スーパーマーケットにおける惣菜の将来像(1/12)

スーパーマーケットにおける惣菜の将来像(1/13)

目次:

2018年12月更新

  1. データで見る中食市場
  2. データで見る惣菜
  3. 他企業のまねでは生き残れない~独自の差別化商品で勝負!
  4. 赤字では、惣菜部門は成り立たない
  5. 惣菜部門はいらない!
  6. 出来たて作りたては差別化ポイントではない
  7. 対面をしない量り売りは売れない
  8. 女性を登用し、地域密着型の惣菜になれ
  9. パート比率をあげるな
  10. 惣菜部門を利益部門にしろ
  11. 地域別売価を採用せよ~一律売価は、利益を落とすだけだ
  12. 高齢者をターゲット~多品種少量化を目指せ
  13. 惣菜を魅力化するために

 

1.データで見る中食市場

図1から2001年以降の1世帯当たり月平均食費支出構成の動きは、中食が増加傾向、内食が減少傾向、外食は大な変化はない。マクロ的には日本の人口減少に伴い、食の市場規模の減少傾向は今後も続くことは想定できるが、図2から、中食の消費金額は、リーマンショック後の09年を底にアップトレンドとなっており、今後も市場は拡大すると思われる。市場自体は、少子化による人口減少や高齢化による1当たりの食料摂取量減少、共働き夫婦の増加など生活の忙しさからおのずと今後も市場は中食へとシフトしていくのではないだろうか。syokusa1※総務省 統計局 家計消費支出より

2012年12月から続いているとされる今の景気回復局面が「いざなぎ景気」(1965年11月~70年7月)を超え、戦後2番目の長さとなった。株高や雇用水準は改善されており、消費市場にも波及効果は表れている。しかし、個人の景気実態のない経済でインフレ期待=景気回復期待だけが先行している状況であり、好景気は一部の大企業にとどまっており、未だに個人消費は実感として現れていないのではないか。一方で、日本の内需関連企業と一般の国民の生活にとって、資源・エネルギーと輸入商材の高騰を招く円安は、明らかに負担を重くしており、原材料の高騰から、さまざまな商品が値上げをせざるを得ない状況になっている。逆に、個人消費に限っていうと、賃金はなかなか上昇せず、将来不安や消費税増税による将来不安があるため消費者の財布の紐は固く、スーパーマーケットをはじめとする小売店では値下げせざるを得ない状況になっている。逆に、地域別最低賃金は軒並み上昇しており、負担が企業に重くのしかかっている。要するに、スーパーマーケットは規模の経済がはたらかない限り、利益率を減少させてしまい、それができない企業は淘汰されてしまうのである。このように日本の経済状況も大きく、食の市場に影響を及ぼしている。いずれにしろ、雇用が拡大し所得が増加し始めると、本格的に消費は拡大していき、景気回復が実現することだけは確かである。しかし、そうはなっていないところに問題があるのである。中食市場の規模拡大は景気回復の度合いよっても、大きく左右されるといえるが、スーパーマーケットまでその効果が波及するまでには、もうしばらく時間を要するといえよう。