スーパーマーケットにおける惣菜の将来像(2/13)
2.データで見る惣菜
図3は、家計消費支出の調理食品分類であり2011年を100とした指数であるが、“うなぎ”と”カツレツ“以外は伸長していることがわかる。“うなぎ”においてはここ数年の価格高騰による消費者の買い控えが顕著に表れている。例えば、「こんな高いうなぎを食べるのであれば、ステーキを食べたほうがもっと美味しいよ~」的な発想をする消費者は少なくないはずである。せいぜい、食したとしても土用丑の日が良いところではないか。
スーパーマーケットの各企業・店舗により消費動向は違っているが、消費トレンドとしてのマクロ視点では、どのカテゴリーを強化していかなければならないかわかるだろう。
特に“弁当”に関しては、スーパーマーケットで販売されている商品だけの伸びではなく、昨今飛躍的に伸びている宅配を中心とした弁当市場の伸びがけん引している。確かに、この“弁当”市場の伸びは大きいが、スーパーマーケットにとっては、機会でもあり脅威でもある分野となるであろう。スーパーマーケットにおいては、ただ手をこまぬいているだけでは、市場のパイを奪われてしまうだけである。例えば、ITを駆使して弁当宅配市場に打って出るだとか、ケータリング事業を立ち上げるなどしていかないと他社に市場を奪われてしまう。今現在でいえば、宅配弁当、特に高齢者向けの宅配弁当は「まずい」という評価がかなりのウエイトを占めており、スーパーマーケットが攻めるチャンスのありどころは、まだまだありそうである。
“おにぎり”に関しても市場をコンビニに奪われているのが現状だ。ここになぜスーパーマーケットの“おにぎり”が売れないのかという疑問が生じる。基本的にはメーカーから仕入れているのが現状であるが、最近では、手間のかかる店内調理のおにぎりを販売し始めている企業もあるが、人手を要するし、なによりも型枠にいれて製造している企業が多いため、店内調理であるにもかかわらず時間がたつと硬くなっている。美味しくて、そこそこの評価を得ている企業であれば、店内調理でコンビニとの差別化が可能となるであろうが、最近ではコンビニもおにぎりの店内調理を実施している店舗を見かけるようになったため、差別化が難しくなっている。要するに、スーパーマーケットのバイヤーが、おにぎりの商品開発に手が回らないのである。専門で対応するバイヤーがいない。安易に店内調理に走っており、生産性を下げているのが実情である。
“サラダ”の伸びも著しいが、これはマヨネーズやドレッシングメーカーからのメニュー提案の広告宣伝が多用されていたことに一因する。もうひとつは、カット野菜の需要増からサラダ類が伸長したと思われる。今後も、この分野においては、惣菜部門のみならず、他部門においてもますますニーズが高くなってくるものと思われる。最近では、青果部門、精肉部門と共同で惣菜売場に展開している企業も増えているが、集約して展開することはよいことであるが、そもそも3部門でサラダを販売していること自体、セクショナリズムを取り払うことができていない。効率面も考慮すると、サラダ分類は1部門で集約して販売していくことが望ましいと思われる。
※図3~5総務省 統計局 家計消費支出より