スーパーマーケットにおける惣菜の将来像(9/13)
9.パート比率をあげるな
なぜ、惣菜部門を中心に女性のパートタイマー社員をチーフ(主任)に登用しようとする動きがあるのか。一つには、“女性=主婦=料理をする人”という安易な発想から、女性の力を活用しようとしている。それはそれで、活躍の場は広がるのであろうが、本来の真の目的は、人件費の削減に他ならない。SVが数名いる企業であれば、教育や指導などによりフォローが可能であるが、多くの企業は人件費削減のためにパートタイマー社員をチーフ(主任)に昇格させているため、人件費的にも負担がかかるSVがいない企業が多いのは自然の流れである。これでは、業績が伸びるはずがない。
当然、SV体制が確立されており、女性のパートタイマー社員でも立派にマネジメントをしている企業は多数あるが、ここで言いたいのは、安易にパート比率を上げて人件費を削減してはならないということである。
それと、もうひとつ言いたいのは、特に惣菜部門は、作業人員を多く必要とし、時間帯で管理しなければならない部門であるため他の部門よりマネジメントが複雑になっている。仮に、今後、女性のパートタイマー社員をチーフ(主任)に昇格させて仕事に従事させようとするならば、まずはグロサリーか日配からスタートさせることが理想的である。女性は料理が作れるから惣菜部門のチーフ(主任)にしようなど、安易な発想だけで実行してほしくない。先にやるべきことは、料理を作ることができない男性正社員の質を向上させることではないであろうか。
今後は、各部門チーフ(主任)が、経営者としての意識を持つことができるようにすることが望ましい。極端な言い方ではあるが、正社員全員が経営者としての自覚を持つことができるように役員にさせるか、コンビニ経営のように委託経営に切り替えていくことも考えていいのではないかと思う。