スーパーマーケットにおける惣菜の将来像(8/13)
スーパーマーケットにおける惣菜の将来像
8.女性を登用し、地域密着型の惣菜になれ
多県にわたる展開になればなるほど、味が分散化して、消費者の好みと違う味になってくるのは当然である。日本の国土は狭いにも関わらず、地域ごとに独特の風習により食材の味付けまで違ってきてしまう。よく言われることであるが、究極の味は、懐かしい味であり、いわゆるお袋の味であることは、よく言われている。また、人間の舌の味覚のピークは5歳で、それ以降は味覚がブレてくるという。よく、大人になりワサビ入りの寿司が食べられるようになったとか、そばに七味を加えると美味しくなっただとかは、味覚がブレている証拠である。
1県だけでチェーン展開している企業はまだしも、多県展開している企業は、どうか味付けを変えていただきたい。これを実現させるためには、まず近隣の住民へのヒアリングを通して、その意見を取り入れてほしい。よくパートタイマーに試食をさせて意見を求める企業があるが、無意識に発言が自企業よりになってしまい、公平な調査が得られないことがよくある。また、その商品がどの層をターゲットにするかで意見が違ってくるので、ターゲットを明確にしていきながら、ヒアリングしていくことが望ましい。
煮物などはよい例ではなかろうか。煮物は差別化できる中心的食材であると思っている。これを多くの企業はアウトパックで賄っているが、それこそチャンスである。他にも色々と差別化できる商品があるのではなかろうか。今後は、差別化できる名物商品の開発を行っていくことが、生き残ることができる方法である。
スーパーマーケットは、購買層が女性にも関わらず、未だに仕入担当者(バイヤー)が男性中心となっており、どういても買い手と売り手に祖語が生じてしまっている。この矛盾を解消するためにも、女性のバイヤー登用を拡大していただきたい。ちなみに、他業種ではあるが、購買層が女性であるとするならば、女性バイヤーの感性で業績を伸ばしている企業が、今増えているという。スーパーマーケット業界も、バイヤーに関しては徐々に女性目線での仕入れにシフトしていかなければならない。