スーパーマーケットにおける惣菜の将来像(7/13)
7.対面をしない量り売りは売れない
最近、また惣菜売場で対面量り売りが増えてきた。何十年前から同じようなことをしては消えていった施策である。対面で1日中、人がついて販売しているのであれば、売上もそれ相当にあるのであるが、お客様が声をかけなければ従業員が出てこない売場となっては、売上が付いていかない。無人での量り売りも、結局は隣に置かれたパック商品をお客様が取っていく傾向にある。
やはり、面倒くさいのである。これは、ご飯の無料サービス(お客様自身で盛り付ける)も同じで、中々拡大しない。量り売り商品は、揚げ物と違い数時間たつと表面が乾いてしまうため見栄えが悪いこともある。焼とりを思いだしてもらえば分かるが、数時間たつと照りがなくなり乾いているのと同じである。お客様が欲しい量を欲しいだけ買えるシステムは、聞こえがよいが、お客様の立場に立った対応ではないのである。
なぜ、この量り売りを各社やろうとするのであろうか。他に新しい施策がないからである。なぜかスーパーマーケットは、デパ地下のまねをしたくなる。デパ地下は、スーパーマーケット惣菜担当者にとって憧れであり、憧れるからこそまねをしたくなる。なにもまねをすることが悪いといっているのではない。そこには工夫がないのである。
例えば、夕方16時からの2時間集中で、対面量り売りを実施してはどうか。効率も考えると、量り売りで、なお且つ、対面を実施するのであればこの方式が一番良いのではないかと思う。何度も言うが、対面でない量り売り販売は売れない。
ちなみに、いつも思うことであるが、デパ地下の味と品質、見栄え、品揃えをスーパーマーケットで販売できる価格設定で提供することができた企業こそ、ナンバーワン企業になれるのではないかといつも思っている。