スーパーマーケットにおける惣菜の将来像(3/13)
3.他企業のまねでは生き残れない~独自の差別化商品で勝負
図6を見ていくとスーパーマーケットで分類される4分類(寿司、米飯、温惣菜、チルド惣菜)では、主食割合が40~50%を占めていることがわかる。特に、家計消費支出での“弁当”“おにぎり”のトレンドを見てもわかるように、今後は、ますます主食の構成が高まると思われる。
通常、寿司の構成比が高い企業・店舗は、土日祝日や晴れの日などに強い企業であり、地域一番店としての地位を確立していると思われる。逆に米飯類の構成が高い企業・店舗は、オフィース街や単身世帯が多い地域であり、商圏調査からチャンスのありどころを探ることができるかもしれない。特に、今は高齢者ほど弁当を購入する割合は高くなっている。
重要なことは、昼食としての弁当需要とともに、夕食としての弁当需要も忘れてはならないということである。ここ10年間を見ても、スーパーマーケットの閉店時間は遅くなっており、若年単身者の多い地域ほど、夕食としてのニーズは高まっていると思われる。夕食としての弁当市場はコンビニに奪われて久しく、スーパーマーケットとしては、この市場を奪い返さなければならない。
惣菜部門の花形は、フライ・コロッケを中心とした温惣菜であり、生産性も含めて高利益分類であることは間違いないし、新商品を発売しやすいため、今後も伸びしろは十分ある。キーワードは、新分類の創造ではないであろうか。惣菜部門で起こったかつての“おはぎ”ブームに次ぐ分類を見つけていくことが必要である。例えば世界に目を向けると外食でも多いメキシコ、ロシア、ドイツ、タイ、ベトナム料理などは、まだまだ手薄な分野である。また、国内に目を向けても、酒の肴のおつまみ商材が手薄であることを考えると、チャンスのありどころは無数にあるといえる。
個人的には、店内調理品として次にブレークするのは、“パンケーキ”“フレンチトースト”“ハンバーガー”のいずれかではないかと思っている。
また、これからの温惣菜やチルド総菜は、彩りを含め食卓皿での飾り付け提案を行い、最終調理品としての役目だけではなく、一工夫により、味・見栄えともにグレードアップできるようにメニュー提案まで踏み込んでいかなければならないと思っている。