M社食品スーパー「売場づくりのレベルを上げたい」

M社食品スーパー「売場づくりのレベルを上げたい」

M社食品スーパーのお困りごと

  • 店舗数 100~150店舗、正社員 1500人~2000人、売上高 1,500億円以上の
    食品スーパーマーケットであるが最近、店舗の売場づくりのレベルが落ちているように感じる。
  • 売場を回っても、商品がただ並んでいるだけで購買意欲が沸かない。結果、売上が思うように上がってこない。
  • 以前は店舗でチーフが指導する余裕もあったが、今はプレイングマネジャーにならざるを得ず、そういった余裕も無いのが現状。
  • 同じ品揃えで同じ指示が出ているのに、店舗間の格差が大きい。

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ニッコンのご提案

コンサルタントの視点

売場づくりのレベルが低下していることの要因として、

①「本部の指示通りに行う」ことへの比重が大きい(心理的にも)
→これはチェーンストアとしての「効率化の裏返し」といえます。
②人手不足で手が回らない、考える時間も無い(と思っている)。
③自分で工夫して成果を上げた「成功体験」が少ない。
→この②③が合わさり、「自分の意思を持った」売場づくりへのモチベーションが起きにくい環境になってしまっている。

また、小売の醍醐味は「自分が工夫した成果が、目の前で見える」ことと考えますが、それを味わえないということは本人にとっても、会社にとっても大きな損失ではないでしょうか?

   ご提案   

売場づくりの前に、「小売業の役割」そしてその中での「私たちの会社の役割」についてのマインドを養うこと。
②売場づくりに必要な、「お客さま目線」での知識・スキルを自分の経験と紐づけて学ぶこと。
③「(研修内で)自分で考え」「実際に売場で試し・検証し」「そこで得た学びを自分の中で整理し」「(研修内で)メンバーに共有」という体験学習のサイクルを回すこと。その過程で成功体験を得ること。

なぜ、①の「マインドを養う」が最初に必要なのか。
それは自分たちに伝えたい「思い」があって、初めてお客さまに伝わるからです。 そしてその「思い」をお客さまに伝えるための「技術」としての知識・スキルなのです。「技術」の前に、「思い」がこなくてはならないのです。

また「売場」と私たちは言いますが、お客さまから見ると実は「買場」であり、「売場」とはこちらから見た目線なのです。
ですから、まず「お客さま目線」に発想を切り替える必要があります。

では「お客さま目線に切り替える」ためにはどうするか。
そのために「目線カメラによる動画」を活用します。具体的には店舗の方にご協力いただき、ウェアラブルカメラを頭に装着し、実際に買い物をしていただく一部始終を撮影します。それは正に「お客さま目線」ですので、インパクトは非常に大きく、視聴後にグループで意見交換していただくと、非常に多くの気づきが意見として出てきます。

そして研修内では「個人ワーク」「グループワーク」を中心とします。
話を聞くと、その場では分かった気になりますが忘れてしまうことが多いです。(それは「エビングハウスの忘却曲線」からも明らかです。)話を聞いた上で、それに紐づいた問題や事例を考え、自分で「言語化」すること が非常に重要と考えています。そうすることで初めて頭に定着し、また思考することが出来るからです。 また人それぞれ考え方は間違いなく違いますので、グループワークを加えることで、様々な意見に触れることができ、気づきが増幅されます。

 

教育研修テーマ

研修の対象者

部門スタッフ(2年目以降) ~ 部門チーフ

研修の目的

  • 忙しい現場で作業に追われ、つい忘れてしまいがちな「お客さま目線」の意識を、仲間と意見交換をしながら醸成すること。
  • 「お客さまから売場はどう見えるか」についての基本知識を習得すること
  • 52週MDや関連陳列など、お客さまにとって「当てになる」売場づくりについて必要な考え方とその意味合いについて、仲間と意見交換しながら理解し、納得すること。
  • (5・6回目)売上も大事であるが、残るのは荒利益であること。さらに販売するためにはさまざまなコストが掛かり、そのコストを引いた営業利益を稼ぐという発想を身に付けること。

研修期間

8ヶ月間 (その中で 4回~6回開催、5・6回目は上級向け)
※現場での取組み・検証を季節を踏まえて実施するため、期間を長めにとっています。

 

研修実施カリキュラム

※毎回事後課題がありますが、そのテーマは学んだ内容を踏まえ、会社の課題に合わせて設定します。

第1回目 「 売場づくり 」とは?

1.私たち小売業の役割と会社の経営理念
2.【動画・画像視聴】「 お客さま目線 」を考える
3.陳列の基本を考える(陳列手法・前進立体陳列など)
4.「 AIDMA 」と「 5適 」という考え方

第2回目 52週MDとは

1.【成果発表】 事前課題
2.52週MDとは
3.店舗・商品部・SVの役割
4.週、月、季節・時間帯、天候

第3回目 レイアウトを科学する

1.【成果発表】 事前課題
2.お客さまの目線を科学する (ゴールデンラインなど)
3.マグネット売場と陳列場所による特徴
4.お客さまをうまく「誘導」する

第4回目 関連販売・関連陳列

1.【成果発表】 事前課題
2.関連販売とは
3.関連陳列とは
4.想起させ、納得を引き出す

第5回目 マージンミックス

1.現在の我々を取り巻く環境
2.荒利益の構造
3.マージンミックス (相乗積)
4.儲ける視点での売場づくり

第6回目 営業利益を考える

1.【成果発表】 事前課題
2.会社に残るのは営業利益
3.「 生産性を上げる 」とは (作業効率を考える)
4.商品・エンドごとの損益分岐点を意識する

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研修後の状況

  • 「お客さま目線」の意識が醸成されることで、仕事の質が向上する。
  • 売場づくりを科学的に学ぶことで、「理に適った」売場づくりが可能になり、結果が出やすくなる。
  • 52週MDについて商品部・SVの役割を学ぶことで、「お客さまとのインターフェイス」である店舗の役割を理解することにより、会社全体への意識が醸成され、好影響が期待できる。
  • 仲間と意見交換する効果として①(相手に話すことで)自分の頭の中が整理される②色々な人の意見を聞くことで、多くの気づきを得られ、行動変容を促進する。
  • 毎回、成果発表の機会を設けることで、現場での「体験学習」が可能になり、また資料をまとめるトレーニングもなる。また事例共有と水平展開の場所として活用できる。

受講生の声

  • お客様目線で売場づくりをすることが第一だということを改めて実感しました。
  • 売場を作るときに、お客さまの目の動きや行動を考えながら作っていなかったということに気づきました。
  • 動画でお客さま目線で売場を見た時に、商品の並べ方や商品整理がどのくらいできているのかというのが、できていない方が目立つし、不快感を持たれてしまうのだなと感じました。
  • 研修場所においては普段お店にいる時とは違い、冷静になってお客様のことを考えることができました。
  • 陳列を思い出してみて、どうしても店側の都合になってしまっている部分があったなと感じることができました。
  • 毎日、目の前の仕事や品出し等に追われて、基本的なことをしっかりできていなったので、本日の研修で学んだことを実践していきます。
  • 企業理念が最大のサービスであり、重要なことだと深く感じました。自己満足ではなく、お客様一番の陳列でなければいけないと思いました。

担当コンサルタント

kuramata

倉又 達也(くらまた たつや)

食品サービス産業研究所
SM研究室 経営コンサルタント

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関連項目