惣菜勝手レポート(4/8)
4.土用丑の日
“土用丑の日”というと、“うなぎを食べる日”または“しじみ”を食べて精をつけようとする消費者は多いはずである。ここで土用丑の日の変な話である。
10年数年前までは、惣菜部門でも鮮魚部門でも、日常うなぎの蒲焼を販売し、セクショナリズムが発生していたが、近年それもめっきり減少してきていた。むろん、惣菜部門は、うなぎを焼いて販売し、鮮魚部門は冷凍うなぎをそのままパックして販売していた。ただ、近年は、基本的にはうなぎの長焼は鮮魚部門での販売で全国的に浸透していた。中には、鮮魚部門でも焼き魚として、うなぎを焼いて提供する企業も増えてきている。
ところが、土用丑の日になったとたん、惣菜部門でも“うなぎの長焼”を販売する企業がちらほら出てきている。惣菜部門の業績を向上させたいとのバイヤーの強い思いはわからないでもないが、いかにも節操の無い話である。
顧客の立場に立ったとき、考えてもらいたい。鮮魚部門のうなぎ長焼と惣菜部門のうなぎ長焼は、「どこが同ちがうの?」と明確に答えられる関係者は皆無ではないだろうか?「惣菜部門のうなぎは店内で焼いています~」といったところで、お客様はその場で食べるわけでもなく、何の価値も得られない。これは、何もうなぎ長焼だけの話してはないが、例えばサラダも青果部門、精肉部門、惣菜部門といたる部門で展開している。近年は、合同展開して、お客様が選びやすく、買いやすい売場づくりをしている企業は増えてはいるが、多くの企業は、いまだにセクショナリズムは払拭できないない。やはり経営陣が、主婦の目線で売場を見ることができないことが要因であろうか。