実践心理学~ウォンツ・ニーズ把握編①

実践心理学~ウォンツ・ニーズ把握編①

モテ子・モテ男の絶対条件!聴き上手!!今日から私も老若男女の人気者♪

〔テクニックNo.3:4つの聴き方〕
〔テクニックNo.4:会話によるペーシング〕

1)購買目的のないお客様とも話を弾ませよう♪

皆様、こんにちは。日本コンサルタントグループの水野京子です。さて、接客に使える実践心理学講座、今日のテーマは〔ウォンツ・ニーズ把握〕で使える『4つの聴き方』『会話によるペーシング』です。

  『4つの聴き方』『会話によるペーシング』とは  

お客様とのラポールを築くために、お客様から共感を得るお話の仕方のことです。

 

接客の場面全体でも使いますが、特にお客様のお話を伺うウォンツ・ニーズ把握の場面で役立ちます。なぜなら前回のコラムでもお伝えしたように、今のお客様は必ずしもニーズがあるとは限らないからです。そのようなお客様に直接的なウォンツ・ニーズ確認をしても明確な答えがなかったり、場合によってはお客様の居心地を悪くしてしまったりします。私たち接客スタッフは明確な目的がない状態でお店に立ち寄られたお客様ともお話を弾ませ、お客様ご自身も気付いていなかった気持ちを引き出すことができたらいいですよね。その上で、お店や商品に興味をお持ちいただき、最終的に購買意欲を掻き立てることをプロとしてできるようになりたいですね。

2)明石家さんまさんを真似よう!?

お話を弾ませるといっても、なかなか難しいものですよね。最近研修の中でスタッフの皆さんから接客で身につけたい力として“商品以外のお客様との日常会話力”というのがよくあがります。私自身も新人のころはこれがとても苦手で、日常会話と言ってもいったい何を話したらよいのかわからないし、下手にお客様に質問しても自分が知らないことだったりしたら、会話を繋げることが難しくて墓穴を掘ってしまいそうで矢継ぎ早にお客様を質問攻めにしてしまっていました。そうなのです、私はお客様のお話も気持ちも受け止めることができていなかったのです。実は、皆さんに接客ロールプレイングをしてもらうと、こういった以前の私と同じような接客をする方がとても多いと感じています。そんな皆さんに必要なのは、“聴くテクニック”です。「聴く」という字は、十四の心をもって聴くと書きますが、残念ながら気持ちだけでは足りません。気持ちを形に表すテクニックが必要なのです。

聴くテクニックの上手い人として明石家さんまさんの名前があがります。会話を丁寧に聴いていただくとわかりますが、相手の発した言葉に対するリアクションが大きくはっきりしていますよね。あれだけ相手より多くの言葉を発し、時に1人で先に話を進めてしまうのに、ポイントとなるところでは、きちんと相手の話を受け取って大きな(いや大げさなくらいの)リアクションをしていますよね。このリアクションがポイントです。★聴き手が無表情、無反応だと、話し手は不安★になってしまいます。聴いているということを相手に伝えるテクニックを使い、お客様が「このスタッフさん私の話にとても興味を持ってくれていて話していて楽しいな」と思っていただけるようにしましょうね♪

3)今日のテクニック★

会話のテクニックの1つ目の『4つの聴き方』【図1】と『会話によるペーシング』【図2】を勉強していきましょう。

【図1】

①頷き
頷きは、話の要所で頷くことです。アイコンタクトと話の内容に合わせた表情のバリエーションが大切です。また、大きさや速度も工夫して、メリハリをつけましょう。また、頷く回数にも変化をつけると同意の気持ちに差ができます。
②相槌
相槌は、頷きに短い言葉を入れることです。頷き同様に、表情のバリエーションも大切ですし、短い言葉だけに声のトーンや大小、抑揚などのメリハリも大切です。一辺倒の相槌にならないようにしましょう。相槌には大きく分けて5つの種類があります。
 肯 定  「はい」 「へえ」 「さすがですね」 「すごいですね」 「なるほど」
「そうなんですか」 「さすが○○さんですね」 「やっぱり○○さんは違いますね」
 共 感 「そうですね」 「もっともです」 「それは楽しかったですね」
「きっと驚かれましたね」 「そんな時はとても嬉しいですよね」
 整 理  「それは知りませんでした」 「そんなことがあったのですね」
「つまり~ということですね」
 促 進 「それからどうされたのですか」 「もう少し詳しく聞かせてください」
「興味深いですね」
 転 換 「○○といえば~」 「今の話で思い出したのですが、そういえば~」

「相手(お客様)とペースを合わせる」と、口で言うのは簡単ですが、実際にこれだけのポイントを相手に合わせるとなると、大変です。
それでは何に気を付けて実践したら、お客様との親和関係が築けるでしょうか? 

③バック・トラック(オウム返し)
話し手の言葉をそのまま繰り返す、つまりオウム返しすることです。オウム返しされることで、話し手は話を聞いて貰えているという認識が強くなりますし、他の人の声で聞くことで再度頭にインプットされ整理される効果があります。オウム返しには2種類の方法があります。jissenshinrigaku_column1

 

④気持ちを受け止めてフィードバック
相手の気持ちを受け止めて、その内容に同意するように言葉をフィードバックすることです。お客様の真意を汲み取って言葉に出して返してあげましょう。jissenshinrigaku_column2

【図2】

会話によるペーシング
「会話によるペーシング(P)」とは、会話の内容を合わせることを言います。それに対し、合わせないことをディスペーシング(DP)と言います。jissenshinrigaku_column3

4)チャレンジ:実践ロールプレイング♪では、実際にチャレンジしてみましょう!

お店で、お客様役をしてくれる相手がいる方は2人1組で練習してください。または、ご家族、ご友人にお話を伺っても良いです。さあ、チャレンジです!

★レッスン★ ウォンツ把握のための4つの聴き方・会話によるペーシング
【進め方】

①2人1組になり、お客様役とスタッフ役を設定します。
②スタッフ役は、お客様役に自店商品に関係のある好みやライフスタイルを確認します。その時にスタッフ役は、『4つの聴き方』『会話によるペーシング』を駆使してお客様のお話を伺います。

【時間】

3分からはじめ、5、7、10分と増やして練習します。

【話題】

例:飲食店→食の好み、食事は家でとることが多いのかor外食が多いのか
インテリア→住へのこだわり度、住のこだわりや好み、自宅で過ごす時間がどれ位あるのか等

【振り返り】

お客様役はスタッフ役にフィードバックします。
「聴き方はどうだったのか」「どの様な時に共感的に聴いてくれている感じがしたか」等、「よかったところ」と「さらにこうするとよい」と感じたこと。

5)今日のまとめ★聴き上手で人気者♪

さて、実際に『4つの聴き方』『会話によるペーシング』を実践してみていかがでしたでしょうか?おそらく人によって、得意なことと、不得意なことが、お客様役からのフィードバックのみでなく、自分自身でも感じられたのではないでしょうか。苦手がどこかわかれば、それだけで克服したものとよく言われます。ぜひ、日々実践してくださいね。私が通っていた心理学の講座の生徒さんのほとんどは3ヶ月が過ぎたあたりから、家族関係がよくなったと言って効果を実感していました。あなたもマスターしてモテモテ、人気者になってくださいね☆

さて次回、接客に役立つ実践心理学第4回は、〔ウォンツ・ニーズ把握〕の場面で役立つ『アイ・アクセンシング・キュー(視線解析)』です。お楽しみに~♪

 

  ポイント  

『聞く』『聴く』は違う。

聴き手が上手いと話し手は話しやすく、ついつい本音を話してしまいます。特に、お客様の会話の中からは、多くの情報を得ることができます。お客様が話す言葉の奥に秘められた気持ちを丁寧に聴き取りましょう。「話上手は聴き上手」、まず心を傾けてよく聴きましょう!

 

関連項目

心理学を活用した研修をご用意しています。