実践心理学~ウォンツ・ニーズ把握編①

実践心理学~ウォンツ・ニーズ把握編②

『目は口ほどにモノを言う』これを知ったら怖くて嘘がつけないー!!

〔テクニックNo.5:アイ・アクセンシング・キュー(視線解析)〕

1)「目は口〈以上〉にものを言う!?」悪用禁止!ご用心!

皆様、こんにちは。日本コンサルタントグループの水野京子です。
さて、接客に使える実践心理学講座、今日のテーマは〔ウォンツ・ニーズ把握〕で使える『アイ・アクセンシング・キュー(視線解析)』です。

何だか、難しく聞こえてしまうけれど、覚えてしまったらとっても簡単なのです!ただしっ!「相手の本心が見え過ぎてこわいー!!」ので、ご注意!です!だってだって、時に大切な人の嘘を知ってしまったら、がっかりすることや、ショックなことだってありますよね~。「なんのこっちゃ!」とツッコミをいれている方もいらっしゃるかもしれませんが、私と同じ実践心理学講座の方は次の講座の時に、プライベートで『視線解析』をして「彼が嘘をついているー!浮気している!!」とか、「息子が塾に行っていないみたいなの」と大変でした。だから、私自身プライベートの時には忘れるようにしています!これ大切です。皆さんも悪用しないことを心に誓いつつお試し下さいね♪

2)簡単だけれど、要・注意★

視線解析のやり方は単純です。『ただ単に目の動き(視線)をチェックする』これだけなのです。視線がどの方向に動いたのかをしっかり見て判断するだけなのです。ただし、人によって動きが活発な人と、そうでない人がいます。動かないからといってあせらないようにしましょうね。必死で相手の顔を見ていると、凝視していて自分の顔が真顔だったり怖かったりしますから、自然な感じにやりましょう。

また、店舗の中で視線解析を実行しようとすると、お客様の表情が見える位置でお話をしないといけないので、立ち位置に気を配るなどの注意が必要ですよ。

3)覚えるのは2つ右左・上中下だけ♪

人の視線の動きは大きく分けて2つです。それは、①右・左 ②上・中(中央)・下です。これを組み合わせると、全部での6箇所できます。6箇所の動いた先にそれぞれに意味があるので、それを覚えればよいだけなのです。それでは【図1】【図2】を見ながら確認していきましょう。

まずはじめに覚えたいのは、向き合った相手の目の動きで考えてください。視線の横方向で

◆右側(自分の左側)に動いたときは未来のことを考えています。①②③
◆左側(自分の右側)に動いたときは過去を思い出しています。④⑤⑥

次に、視線が縦方向で上下どの辺りに行くかで判断します。

◆上に動いたときは視覚(映像)で思い出している、もしくは想像しています。①④
◆中央辺りに動いたときは聴覚(音)で思い出している、もしくは想像しています。②⑤
◆下に動いたときは身体感覚(身体で感じたこと)で思い出している、もしくは想像しています。③⑥

とすると、全部で6箇所のどこへ視線を動かしたかで、いま目の前の人が何を考えているのかが分かるということです。しかし、視線の上下の動きは、人のタイプによってよく上を見るとか下を見るとかがありますので注意は必要です。この人のタイプについては次回詳しく勉強しましょう。

確実に分かることは、欲しいTシャツのイメージがすでにあるお客様は視線が向かって左に動き、まだ具体的にイメージがないお客様は右に動くということです。これさえ分かればお客様と接客する時にとても役立ちますよね。時にお客様は遠慮して直接的に「気に入っていない」と言わないことや、その逆もありますよね。私たち接客スタッフは、そのお客様の心情を視線解析で判断して正しく無駄のないお勧めをしたいところです。

【図1】 視線解析図(右利きの人の場合)向き合った自分から見ての相手の目の動き

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【図2】

未 来 過 去
視 覚 ①未来を視覚で想像する ④過去を視覚で思い出す
聴 覚 ②未来を聴覚で想像する ⑤過去を聴覚で思い出す
身体感覚 ③未来を体感する ⑥過去を体感する

※身体感覚とは五感の〔嗅覚・味覚・触覚〕を総称して呼びます。

4)チャレンジ:視線解析♪

では、実際に人の視線がどの様に動くのか確認のためにチャレンジしてみましょう!お店のスタッフ、もしくはご家族・ご友人にお願いして少しの時間をつくり実施してみてください。できれば数人のサンプルを取ったほうが分かりやすいので、何人かに試してみてください。その際の注意点は視線解析をするというと意識してしまうので、言わずに「ちょっと質問に答えてくれない?」と軽い感じでお願いすることです。

★レッスン★ 本音を探る視線解析
【進め方】①2人1組になり、向かい合わせに座ります。
②下記の、質問を一問ずつ順番に聞いていきます。質問は過去のこと、未来のことをランダムに聞くと視線の動きが分かりやすいです。
③相手が回答をする際に、どこへ視線を動かしたかを→で記載していきます。ただし、視線が変化をすることがよくありますので、その変化も記載してください。

質問  矢印 
過去 今日はじめて会った人はどんな人でしたか?
家の時計はどんなデザインですか?
小学校の校歌を思い出してください。
千円札のデザインには何が描いてありますか?
携帯電話の着信音を思い出してください。
1番好きな物の味を思い出してください。
バラの香りを思い出してください。
未来 もし私がアフロヘアにしたらどうですか?
3年後の自分はどうしていますか?
もし1ヶ月お休みが取れるとしたら何がしたいですか?
もし宝くじで1億円当たったらどう使いますか?
イタリア語っぽい感じのアクセントで何か話してください。
あなたの部屋の壁紙を真っ赤にしたらどうですか?
真夏の砂漠を素足で歩くとどんな感じですか?

5)今日のまとめ♪日常会話で視線解析

さて、今日学んだのは『アイ・アクセンシング・キュー(視線解析)』です。実際にレッスンをしてみると、きっと過去の質問と未来の質問で右・左と視線が動くのがわかりましたよね!本当に面白いですね。

また、こんな風にあらたまらなくても、日々の生活の中の色々なタイミングで「今日のお昼何食べに行きます?」「昨日のデートどうだった?」「こないだの映画面白かった?」「年末年始はどこか行くの?」等日常会話の中のちょっとした質問のたびに、視線解析すると練習になるので、ぜひ実践してくださいね。
ただし、先にも触れたように、中には視線の動きが早くて激しい人と、あまり動かなくてゆっくりの人がいるということです。この違いは次回詳しく学びましょう。
その次回は、接客に役立つ実践心理学第5回〔商品・メニュー説明〕の場面で役立つ『優先的表象系システム』です。お楽しみに~♪

  ポイント  

『アイ・アクセンシング・キュー(視線解析)』は、
相手が今何を考えているのかがわかってしまう「相手の本音を探る嘘発見器」

『左右』⇔『過去・未来』
『上・中・下』⇔『視覚・聴覚・身体感覚』

 

関連項目

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