新入社員アンケート調査結果から見る2019年度新入社員の傾向

近年、就職においてはいわゆる「売り手市場」になり、人員の確保がしづらくなっている中で、せっかく採用した新入社員の仕事への意欲が低下し、場合によっては離職に至ってしまうことは企業にとって大きな痛手です。

新入社員をどのように育てていくかは、どの企業も喫緊の課題です。そこで、「どのように育てていくのか」という新入社員の傾向を知るために、2019年春に就職した新入社員581名にアンケート調査（優先順位をつけた複数回答式）を行いました。

新入社員は、組織に貢献している実感があることが働きがいとして考えている。企業は個人の成長をサポートし、仕事を通じて学びを活かせる場や仕組みの提供が必要である。

新入社員は、働きやすさについてプライベートの時間も大切にしたいと考えており、雇用や処遇の安心感も求めている。企業は働き方や処遇だけではなく、職場環境に関しても、時代に合わせた見直しや新しいアイディアを出すなどの取組みが必要である。

新入社員は、約65％は、今の企業に長く勤めたいと考えており、安定志向を望む新入社員が多いことが伺える。「管理的地位にも、専門家にも興味がない」は増加している。企業は各人のキャリア志向をサポートしつつ、安心して長く勤められる環境整備が重要である。

新入社員は、「主体性」と「実行力」（前に踏み出す力）、「計画力」（考え抜く力）および「発信力」（チームで働く力）をより伸ばしたいと考えている。企業は積極的に、個人の能力開発の機会をつくること、またチームで働く力を伸ばすことが必要である。

新入社員は上司や先輩に「丁寧な説明」、「チャレンジの機会」、「間違いの指摘」を求めている。上司や先輩は、メリハリのある指導をし、チャレンジの機会を提供する必要がある。企業は、新入社員に合わせた適切なコミュニケーションをとるよう上司や先輩に促していくことが求められる。

　　　まとめ　　　

調査目的	新入社員の「仕事を通じた成長」に関する意識を明らかにする本人(自己)に関して、働きがいと働きやすさにおいて大切にしたいものは何か本人(自己)に関して、現時点でのキャリアイメージはどういったものか本人(自己)に関して、これから伸ばしていきたい能力は何か周囲(職場環境、他者)に関して、上司や先輩に望むことは何か
調査期間	2019年3月19日～5月3日
調査対象	2019年春に就職した新入社員 ※新入社員研修を単独実施した企業の社員
調査方法	アンケート用紙を配布・回収（新入社員研修時に実施） WEBアンケート（新入社員研修時に実施）
参加企業数	14社業種：石油関係、ソフトウェア･システム開発、不動産業、食品開発･製造、土木工事など各種
回答数	581名（男性331名・女性216名・性別不明34名）