新入社員アンケート調査結果から見る「2018年度新入生の傾向」

新入社員アンケート調査結果から見る2018年度新入社員の傾向

近年、就職においてはいわゆる「売り手市場」になり、人員の確保がしづらくなっている中で、せっかく採用した新入社員の仕事への意欲が低下し、場合によっては離職に至ってしまうことは企業にとって大きな痛手です。
新入社員をどのように育てていくかは、どの企業も喫緊の課題です。そこで、「どのように育てていくのか」という新入社員の傾向を知るために、2018年春に就職した新入社員614名にアンケート調査(優先順位をつけた複数回答式)を行いました。

 

新入社員が大切にしたいと考える働きがいとは

  • 「知識や技術の向上が感じられる」が55.4%
  • 「自分の仕事が組織に貢献している実感がある」が44.8%
新入社員は、自分自身の知識と技術の向上や成長と、組織に貢献している実感があることが、働きがいとして考えています。
企業は個人の成長をサポートし、仕事を通じて学びを活かせる場や仕組みの提供が必要です。

 

新入社員が大切にしたいと考える働きやすさとは

  • 「労働時間が適正で、プライベートの時間が確保しやすい」が71.2%
  • 「雇用や処遇に関して、安心感がある」が、61.6%
新入社員は、新入社員は、働きやすさについてプライベートの時間も大切にしたいと考えており、雇用や処遇の安心感も求めている。
企業は働き方や処遇に関して、旧来のやり方に囚われず、時代に合わせた見直しや新しいアイディアを出すなどの取組みが必要です。

 

成長の先にあるキャリアイメージ

  • 「今の企業に長く勤め、将来的に管理的地位になっていく」が44.0%
  • 「今の企業に長く勤め、ある仕事の専門家になっていく」が26.1%
新入社員は、新入社員の約7割は今の企業に長く勤めたいと考えており、安定志向を望む新入社員が多いことが伺えます。
また、男性は管理者志向が高く、女性は専門家志向が高くなっています。
企業は各人のキャリア志向をサポートしつつ、安心して長く勤められる環境整備が重要です。

 

身につけたい・伸ばしたいと思う社会人基礎力

  • 「主体性」48.0%
  • 「実行力」38.8%
  • 「計画力」33.2%
  • 「発信力」31.3%
新入社員は、新入社員は、「主体性」と「実行力」=前に踏み出す力、「計画力」=考え抜く力、及び「発信力」=チームで働く力をより伸ばしたいと考えています。
企業は積極的に、個人の能力開発の機会をつくること、またチームで働く力を伸ばすことへの着目が必要です。

 

職場の上司・先輩に望むこと

  • 「仕事の手順や方法を丁寧に教えてくれる」61.6%
  • 「間違った点をそのままにせず注意してくれる」45.4%
  • 「無理のない範囲で仕事のチャレンジの機会を与えてくれる」39.6%
  • 「自分の強みを活かした仕事を任せてくれる」14.2%
新入社員は 上司や先輩に「丁寧な説明」「間違いの指摘」を求めています。上司や先輩は目を配り、行き届いた指導と機会を提供する必要があります。
新入社員のうちは、教わったことを正しくできているか不安なものです。
「少し教えればできるもの」と考えず、やり方を丁寧に教えた上で、間違いの指摘も含めた適切なフォローが求められます。
企業は、新入社員に合わせた適切なコミュニケーションをとるよう上司や先輩に促していくことが求められます。

 

   まとめ   
  • 企業は、個人の成長をサポートし、仕事を通じて学びを活かせる場や仕組みの提供をする必要がある。
  • 働き方や処遇に関して、旧来のやり方に囚われず、時代に合わせた見直しや新しいアイディアを出すなど取組みが求められる。
  • 働き方や処遇に関して、男女の意識の違いがあることを理解する必要がある。
  • 個人のキャリア志向をサポートしつつ、安心して長く勤められる環境整備を行う必要がある。
  • 個人の能力開発の機会をつくりとチームで働く力を伸ばす機会の両面での能力開発を求めている。
  • 適切なコミュニケーションをとるよう上司や先輩に促していくことが求められている。

 

調査概要

調査目的 新入社員の「仕事を通じた成長」に関する意識を明らかにする

  • 本人(自己)に関して、働きがいと働きやすさにおいて大切にしたいものは何か
  • 本人(自己)に関して、現時点でのキャリアイメージはどういったものか
  • 本人(自己)に関して、これから伸ばしていきたい能力は何か
  • 周囲(職場環境、他者)に関して、上司や先輩に望むことは何か
調査期間 2018年3月20日~4月30日
調査対象 2018年春に就職した新入社員
※新入社員研修を単独実施した企業の社員
調査方法 アンケート用紙を配布・回収(新入社員研修時に実施)
参加企業数 12社
業種:石油関係、ソフトウェア・システム開発、不動産業、食品開発・製造、土木工事など各種
回答数 614名(男性385名・女性179名・性別不明50名)

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