ロス改善レポート(8/8)
8.不要なロスは、信用もロスする
この章が最後になりますので、これまでの振り返りをしておきます。
- 現在、我々を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、「売上は上がらない、販売管理費は上昇傾向」状況である。
- そんな中でも、会社を存続していくためには、営業利益を出していかなければならない。それに対する一つの有効な手段と考えれるのが「 ロス改善 」である。
- しかし、いざ「 ロス改善 」に取り組むといっても
・ルーティンの業務の負担が大きい
・(ロス改善の)効果的な手法が分からない
・データはあるが、必要な情報に変換できない
・(ロス改善に関して、)会社としてのPDCAサイクルが無い
などの理由から、なかなか思うような成果が上がらない。
- そして、「 ロス改善 」の成果を上げるためには
① 論理的な考えに基づいた手法
② データに基づく合理的な根拠
③ 店舗(販売部)・商品部・SVが連動した取組み が必要である。
といった内容をこれまで、みていただきました。
★ 最後にお伝えしたいのは、「不要なロスは、信用もロスする」ということです。
どういう意味かというと、まず、機会ロス。
これはお客さまに「買いたいのに、買えなかった」という経験をさせてしまうことです。言い換えれば、「期待を裏切る」ことに他なりません。
そんな経験を何度もされたお客さまは次にどういう行動を取るか。ご自分だったらどうするかを考えれば分かることだと思います。 しかし、これは「気をつけなければ目にみえないもの」です。気付かないうちに大切なお客さまを失っている可能性があるのです。
そして、値引きロス、廃棄ロス。
いつも売場に値引きシールが貼られている商品が多い店に対して、お客さまはどういった印象を抱くでしょうか?
「この店、鮮度(品質)が悪いの?」でしょう。「値引き多い→売れていない→鮮度や品質が悪い」という連想をされることは想像に難くありません。つまり、「 ロスを改善する = お客さまの信用を得る 」に直結するのです。