ロス改善レポート(1/8)
目次
- 「 ロス改善 」は食品スーパーの永遠の課題
- 食品スーパーのロスの現状
- 代表的な3つのロス(値引き・廃棄・機会)
- ロス率を改善するには
- ロス改善のストーリー
- ロス改善に取り組む前に
- 効果の上がるロス分析とは?
- 不要なロスは、信用もロスする
1.「ロス改善」は食品スーパーの永遠の課題
「ロス改善」というテーマはどのスーパーマーケットの会社でも程度の違いこそあれ、大きな課題の一つです。
(この読み物を読まれているということは、皆さんの会社もそうではないでしょうか?)
考えると、そういった方針を出すのは経営層の方です。
そこでまず、なぜ「ロス改善」がそこまで必要なのか、経営者の目線で考えてみます。
では経営者の役割が何かですが、まず考えつくのは「会社を継続する」ことです。
そして会社を継続するためには、儲けなければなりません。具体的にいうと、会社に残るお金は、粗利益から販売管理費(コスト)を差し引いた「営業利益」ですから、営業利益を稼がないといけない。これがまずお考えの前提にあるのではないでしょうか。
それを踏まえて、「現状のトレンド」を考えた上で、では「利益を確保するには」どうすればよいのかを考えてきたいと思います。
1.現状のトレンド
現状と将来の環境から考えると、
□ 売上 : 横ばい、あるいは下降
□ 原価 : 横ばい、あるいは上昇
□ 販売管理費(コスト) : 横ばい、あるいは上昇(人件費は上昇)
この中で、「 営業利益を確保 」しなければならない。
[ 営業利益 = 粗利益 - 販売管理費 ]で、販売管理費は「横ばい、あるいは上昇」、その中で営業利益を出すためには、「 粗利益を稼ぐ 」ことが重要な課題となります。
図1
2.利益を確保するには
では、粗利益をどう確保するか?
原価は「よくて横ばい、あるいは上昇」の状況、売価は「 ただ単に値上げ 」ではお客さまの支持を失うだけであり、また「 高単価で、値入率も高い商品を導入 」すれば売れるのかといえば、単価が上がればお客様の目もよりシビアになりますし、なかなか難しい。
そうなると「粗利益を稼ぐ」ために有効な要素として残るのは「ロス」です。これが「 ロス改善 」が必要とされる背景です。