ロス改善レポート(5/8)
5.ロス改善のストーリー
④のロスの構造を踏まえると、ロス改善のストーリーは以下の通りになります。(図5)
図5
1.目に見えて、すべての労力を無にする「廃棄ロス」を減らし、廃棄金額を減らす。
→単品データで、「廃棄金額の高い」商品を抽出し、対策を実行する。
2.目に見えない、お客さまをがっかりさせる「品切れ」を減らし、売上を上げる。
→品切れの状況が「見える」ように、日々決まった時間で「品切れチェック」を行う。
→合わせて単品データで、「時間帯別販売数」「最終販売時間」を確認し、あれば売れただろう数量を推測する。
→その数量が提供できるように、発注・製造計画を修正する。
3.売上を損なわないように、「値引きロス」を減らす。
→単品データで、「ロス率の高い」「ロス額の高い」商品を抽出する。
→その原因に対し、仮説を立てて、それに見合った対策を実行する。
→その対策の結果を検証し、必要であれば、追加の対策を実行する。
それぞれの特徴を考えると、この順番で行うのが理に適っていると考えます。 そして、以上の3つがある程度、効果を上げてきたら、
4.お客さまが「欲しい商品を導入」し、売上を上げる。
ここで重要なのは、「お客さまが欲しい商品をどうやって知るか」です。
例えば、売場でのお客さまの問い合わせ、競合店で面をしっかり取り陳列しているが自店で取り扱いの無い商品、また自社の他店舗で実績があるのに自店で取り扱いが無い商品などが考えられるのではないでしょうか。
ただし、これは品揃えを増やせば、そのまま売上が増えるわけではありません。その品揃えにより、他の商品が売れなくなる可能性もあります(いわゆるカニバリ)。ですから新規商品の導入には十分な検討が必要であり、即効性は期待できません。
これが「既存の商品のロス改善の効果が上がってから」にする理由になります。