ロス改善レポート(3/8)
3. 代表的な3つのロス(値引き・廃棄・機会)
それではロスには、どのようなロスがあるのでしょうか?
現場でよく起こるロスは以下の通りです。
- 値引きロス: 定価より「○○%引き」「○○円引き」で販売することによるロス
- 廃棄ロス: 消費期限・賞味期限・販売期限切れ、品質・見栄えなどに問題があり、 お客さまに販売できる状態ではない(なくなった)商品を捨てることによるロス
- 機会ロス: あれば買っていただけたはずなのに、無かったためにお客さまが買えなかったことによるロス
この3つのロスを「店側の視点」と「お客さまの視点」から見てみましょう(図3)。
図3
<廃棄ロス>
店側から見ると、「 損失 」で、これは原価だけでなく、それまでの作業負担も含みます。
捨てるという作業がありますので目で分かりますし、またデータでも分かります。お客さまには分かりません。
<値引ロス>
店側から見ると、「 損失 」(想定していた売価で売れなかった)で、データで分かります。しかしお客さまからしたら値引いた分、安く買うことができますので、「 得した 」となります。ただし、これは「 お客さまがその価格に納得した 」場合です。大事なのは、「 お客さまの感じる価値 > 価格 」となることで、特に生鮮食品や日持ちのしない日配食品は時間が経てば経つほど、「 お客さまの感じる価値 」は下がっていきますので、その分、割引率を大きくしないと売れなくなります。
逆にいうと早い段階での値引きであれば、低い割引率でも売れますし、お客さまの満足度も高い可能性があります。ですから「 早期低率値引き 」という考え方が大事になります。
<機会ロス>
店側から見ると、ロス無く売れたという意味で「 利益 」と感じます。しかしお客さまからしたら、自分が買いたかったものが買えなかったわけですから、「 損した 」と感じます。
もしその商品がお客さまの目的のものであったら、せっかく来ていただいたのにがっかりした気分で帰られてしまいますし、それが続くようならば、「当てにならない店」としてそもそもご来店を避けるようになるかもしれません。この機会ロスは目に見えず、データには現れません。(時間帯別販売数、最終販売時刻である程度推測することはできます)ですから目に見えない機会ロスを見えるようにする取組みが必要になります。
目次
- 「 ロス改善 」は食品スーパーの永遠の課題
- 食品スーパーのロスの現状
- 代表的な3つのロス(値引き・廃棄・機会)
- ロス率を改善するには
- ロス改善のストーリー
- ロス改善に取り組む前に
- 効果の上がるロス分析とは?
- 不要なロスは、信用もロスする