第5回労働時間の適正な把握について~思わぬ事態を防ぐために~
先日ある大手企業が、パートやアルバイトの労働時間の管理を5分単位から1分単位に見直すこと、さらに円滑な移行及び該当者への配慮の観点から、過去2年間に遡って5分未満の差額相当額を支払うとの発表がありました。
厚生労働省は「原則的には、毎日の時間外労働は分単位で正確に計上するのが正しい労働時間管理といえます。労働時間の端数計算を、四捨五入ではなく常に切り捨てて計算することは、切り捨てられた時間分の賃金が未払いとなるため認められていません」としています。
冒頭の事例の詳細は不明ですが、毎日の労働時間を常に切り捨てるルールは、適正な労働時間が把握されていないことに繋がりかねず、思わぬ事態に発展することもあります。
また一例として「使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間」も労働時間に該当します。(厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」より抜粋)
労働時間の適正な把握は労務管理の基本です。あらためて適正な把握がなされているか確認をされては如何でしょうか。
(参考資料)
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」