U社食品スーパーのお困りごと「パートチーフの活躍」

U社食品スーパーのお困りごと「パートチーフの活躍」

U社食品スーパーのお困りごと

  • 部門損益黒字化へ向けてパートスタッフを部門チーフとして登用する制度が設けられた。
  • 30歳代、40歳代の登用者が多く、経験・技術が十分でないケースも散見し、ベテランパートとのコミュニケーションに悩んでいる。
  • コミュニケーションの悪化により、パートチーフの負担増(業務の抱え込み)になり、仕事のムリ・ムダが発生する。
  • これを原因として、業務上のミス(表示、原材料、盛付け等)の増加、新人パートの離職といった問題点が浮き彫りとなって来ている。

komattasan

ニッコンのご提案

パートチーフが部下を効果的に育てるためには、まずはパートチーフご本人の動機づけが必要であり、その上で十分な業務知識と対人スキルを習熟することが求められます。
同じ立場の仲間と共感や刺激を受ける環境を用意し、コミュニケーションスキルを主軸に置きながら、OJTの手法や売場づくり、作業改善などの実務と紐づけて段階的に進め、パートチーフの意識、知識と実践力を高めていくことを提案しました。

<コンサルタントの視点>

パートチーフはパート・アルバイトからの登用者で、技術や知識が十分でないまま一定の責任が求められる状況にあります。
責任感があり、組織の指示命令を遂行しようと一生懸命に仕事をしていますが、そのような関わり方が返って周りのベテランスタッフとのコミュニケーションの齟齬を生んでしまうジレンマに陥っているようでした。
そこで、本部の協力も得ながらある程度の期間にわたって段階的に教育を進めていく必要性を話しました。
このような場合、単発の知識教育研修での効果は薄いのです。
⇒各パートチーフの実状を土台にしながら、メンバーとのコミュニケーションをどう改善していけばよいのか、研修で得たヒントを現場でどう実践し、結果から得られた考察が何か、などを毎回ディスカッションし、必要な知識付与、スキル開発を繰り返すプログラムとしました。

教育研修テーマ

対人能力、人材育成

-様々な場面におけるコミュニケーションのケーススタディ (褒める、叱る、相談、指示、報告、連絡等)
-OJTの進め方、学習とロールプレイング (現場作業の教え方・教える手順、面談の仕方等)

自律、チャレンジ 

-意識付け、セルフ・コントロール・役割認識、育成マインド
-内省:OJT日記の作成

メンバーを動かし、業務改善を実現する力

-具体的な指示、意思伝達 等

結果(検証)を次へ繋げる(改善)する力

-目標管理、振返り、改善の実践

研修期間

6ヶ月間(1ヶ月に1度開催)

実施研修カリキュラム<全6日間>

1回目

〈目標到達点〉

・メンバー同士の交流を図る(自己紹介、課題の共有等)
・診断による自身の強み・弱みの理解と教える側としての意識形成
・チーフとしてのコミュニケーション能力の開発(指示出し)

1.チーフとしてのマインド形成

・組織理念の解釈と共感、自部門の運営方針を考える
・教える側の意識形成、人材育成のメリット
・モチベーター診断、コミュニケーションタイプ診断

2.指導力形成

1) 問題解決基礎
2) コミュニケーションの基礎知識
3)部下との関係性づくり(意思疎通・初頭効果)
4)能力開発(言葉で指示することの難しさを知る)
・ コミュニケーション体験(ゲームによる発信と受信の体験)
・ケーススタディ:指示する

3.実務連動

・実践テーマの設定
・PDCAシート(進捗管理表)作成
・発表

2回目

〈目標到達点〉

・メンバー間でのコミュニケーション事例の共有によるモチベーションの向上
・チーフとしてのコミュニケーション能力の開発(報告させる、連絡させる)
・OJTスキルの開発(教える)

1.実施事例の振返りと共有

・課題実践の振返り
・OJT日誌の共有(うまく行ったこと、行かなかったこと、所感等)
・講師およびメンバーからのフィードバック

2.指導力形成

・能力開発
-ケーススタディ:報告させる、連絡させる
-マニュアルを正しく伝え、部下を動かすには
✓教え方のプロセス、作業レシピの考え方
✓作業レシピの作成練習とロールプレイング

3.実務連動

・前回の改善策検討
・次回の実践テーマの設定
・PDCAシート(進捗管理表)作成
・発表

3回目

〈目標到達点〉

・メンバー間でのコミュニケーション事例の共有によるモチベーションの向上
・チーフとしてのコミュニケーション能力の開発(褒める・叱る)
・OJTスキルの開発(調理マニュアルの咀嚼と育成手順)

1.実施事例の振返りと共有

・課題実践の振返り
・OJT日誌の共有(うまく行ったこと、行かなかったこと、所感等)
・講師およびメンバーからのフィードバック

2.指導力形成

・能力開発

-ケーススタディ:褒める、叱る
- マニュアルを正しく伝え、部下を動かすには
✓作業レシピの作成練習とロールプレイング
(褒める、叱るとの連動)

3.実務連動

・前回の改善策検討
・次回の実践テーマの設定
・PDCAシート(進捗管理表)作成
・発表

4回目

〈目標到達点〉

・メンバー間でのコミュニケーション事例の共有によるモチベーションの向上
・OJTスキルの開発(相談を受ける)
・売場での生産性向上について学ぶ

1.実施事例の振返りと共有

・課題実践の振返り
・OJT日誌の共有(うまく行ったこと、行かなかったこと、所感等)
・講師およびメンバーからのフィードバック

2.指導力形成

・能力開発

-ケーススタディ:相談を受ける

3.生産性向上を考える

・能力開発

― 生産性向上の考え方 講義
― 売場づくり、売場作業の生産性

4.実務連動

・前回の改善策検討
・次回の実践テーマの設定
・PDCAシート(進捗管理表)作成
・発表

5回目

〈目標到達点〉

・メンバー間でのコミュニケーション事例の共有によるモチベーションの向上
・OJTスキルの開発(励ます)
・バックヤード作業での生産性向上について学ぶ

1.実施事例の振返りと共有

・課題実践の振返り
・OJT日誌の共有(うまく行ったこと、行かなかったこと、所感等)
・講師およびメンバーからのフィードバック

2.指導力形成

・能力開発

-ケーススタディ:励ます

3.生産性向上を考える

  • 能力開発

― 作業改善の考え方 講義
― 作業改善、売場作業の生産性

4.実務連動

・前回の改善策検討
・次回の実践テーマの設定
・PDCAシート(進捗管理表)作成
・発表

6回目

〈目標到達点〉

・メンバー間でのコミュニケーション事例の共有によるモチベーションの向上
・面談の仕方、部下のモチベーションを高める目標設定
・これまでの振返りと今後に向けての決意表明

1.実施事例の振返りと共有

・課題実践の振返り
・OJT日誌の共有(うまく行ったこと、行かなかったこと、所感等)
・講師およびメンバーからのフィードバック

2.指導力形成

・能力開発

-ケーススタディ:育成面談の実施、部下の目標設定の仕方

3.全6回の振返りと今後の活動計画

・全6回の振返りと実施内容と成果のまとめ
・今後の改善策検討
・実施計画作成
・発表、決意表明

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研修後の状況

研修終了時に行う成果発表では、「自分自身で変わったと思う。このような機会が得られて本当に良かった。」といった受講生の感想の他、業務上のミスの件数が確実に減少したという結果も伴った。

部下・後輩とのコミュニケーションを苦手にしていた参加者の一人は、研修に参画することで、チーフ職としての意識が醸成され、また、苦手としていたコミュニケーションも改善され、現在パートチーフとして活躍している。ミス改善の領域ではモデルとなっている。

現在は支援は、第2期目に入り、新しい参加者を迎え取り組みを行っている。

担当コンサルタント

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齋藤 康人(さいとう やすひと)

食品サービス産業研究所
経営コンサルタント(中小企業診断士)

お問合せ先

関連項目