「ニッコン建設業フォーラム2014」開催レポート

「ニッコン建設業フォーラム2014」開催レポート

2月14日(金)に「ニッコン建設業フォーラム2014」を東京で開催いたしました。
「常識転換の時代 勝ち残るための建設業経営のあり方」と題しまして、地場建設企業の皆様に、時代の変化を受け止め、生き抜くための受注力強化の方策をご提言させていただきました。

フォーラム内容

  • 主催者あいさつ
  1. コンセプトオリエンテーション
    • 1)常識転換に向けた地場建設業のあり方
    • 2)常識転換の1つの考え方
      工事現場から変えていく ~成功目標は何か。構造物を作ることだけからの考え方を変える~
      営業現場から変えていく ~提案するものは何か。受注主義から顧客主義へ考え方を変える~
  2. パネルディスカッション ~地域で生きる建設業に何が求められているか
    ~地域建設業は、地域の守りと海外市場を海外市場どのように捉えて舵取りをするか

    • 「祭り」や「イベント」などの積極的な地域活性へ建設業はどう貢献できるか
    • 建設業の高齢者、女性、外国人等の人材の多様化に対応した事業展開はどうなるか
    • 技能者の高齢化及び不足によるコスト圧力に対して協力会社とどう解決するか
  3. 分科会
    • 分科会 ①【営業の常識転換】
      • 「TPPをビジネスチャンスにする地場建設業のあり方」
        ~地元企業を支援する攻めの営業~

        • 1)東南アジアの成長と建設輸出
        • 2)TPPをビジネスチャンスにする営業アプローチ
    • 分科会 ②【事業エリアの常識転換】
      • 「コスト圧力に対応したマネジメントのあり方」
        ~震災復興後の建設活路は? 東南アジアを視野に!~

        • 1)東南アジアの成長と建設輸出
        • 2)海外展開の進め方(現地企業とのタイアップや活路の見出し方)
    •  分科会 ③【利益の常識転換】
      • 「コスト圧力に対応したマネジメントのあり方」
        ~協力会社と協調したコストのつくりこみ~

        • 1)少子化に対応した人材獲得と定着化
        • 2)65歳高齢化組織の活性化(高齢者の活用・賃金・助成金・体制作り)
    •  分科会 ④【人材の常識転換】
      • 「少子高齢化社会へ向けた組織体制のあり方」
        ~付加価値経営を実現するための組織づくり~

        • 1)少子化に対応した人材獲得と定着化
        • 2)65歳高齢化組織の活性化(高齢者の活用・賃金・助成金・体制作り)

フォーラムのポイント

コンセプトオリエンテーション

本フォーラムの主題である、常識転換に向けた地場建設業のあり方について解説させていただきました。

従来通りの目標に陥りがちな工事現場や営業現場に対して、現場代理人が新しく取り組むべき目的や成功基準、営業担当者が新しく取り組むべき経済的環境変化と顧客の変化などについて、解説させていただきました。また、現場担当者の意識を変えるためのしくみや教育などにも触れながら、広く建設業の常識転換についてご提言させていただきました。

弊社 建設産業研究所 執行役員所長 加藤浩之によるオリエンテーション

パネルディスカッション

地場建設会社を経営する方々から、社員育成・震災復興協力・海外事業についての取組事例や、街づくりに対応した事業活動・文化事業を核にした地域貢献についての取組事例をご紹介していただきました。

そのほか、建設業の人材の多様化に対応した事業展開や、技能者不足に対応して協力会社とどのように解決するかなどについて、活発なディスカッションが行うことができました。

自社の取り組みについて説明する(株)タカヤ 代表取締役社長 望月郁夫 様

自社の取り組みについて説明する澤田建設(株)代表取締役社長 澤田健規 様

分科会①【営業の常識転換】

TPPやアベノミクスなどによる政治的・経済的変化を建設業のビジネスチャンスと捉え、活況にある国内製造業などに地場建設業がどう対応するべきかを解説させていただきました。

また、日本の農業改革の方向性を見据えて、地場建設業として農業ビジネスに参画するための一助として、NPO法人代表理事をお招きし、農業ビジネスの事例・課題・将来予測などについてご紹介させていただきました。

酒井講師

分科会②【事業エリアの常識転換】

成長性ある東南アジアの建設市場や現地企業との協業などについて、地元ゼネコンがどのように考え、どのような取り組みをしているか、政府のバックアップ制度を交えながら解説させていただきました。

その上で、ゼネコンの下請けなどのような従来型進出スタイルの枠を超えて、新しい積極的な海外活動のスタイルをご提案し、具体的な海外展開の進め方として、地元建設業の実践的事例をご紹介させていただきました。

中村講師

マッチングタイム

参加者同士の交流・情報交換の時間となる「マッチングタイム」を設けました。皆様大変積極的に参加者の方々と意見交換をされていました。

積極的に情報交流・意見交換する参加者の皆様

分科会③【利益の常識転換】

コストマネジメントの主役となるべき責任者が人任せにしてしまうことが原因となって起こる失敗事例をご紹介し、組織としての成果を出す仕組みや施工体制構築など、利益づくりの活動について解説させていただきました。

また、求められる組織の役割や現場代理人の役割についてご説明し、それぞれの行動変革を起こすための、組織協働によるコストマネジメント強化の取組についてご提案させていただきました。

石原講師

分科会④【人材の常識転換】

少子高齢化を迎える日本で、年齢構成などの組織体制を維持し、将来を見据えて人材を確保する必要性について解説させていただきました。

若手社員については、その価値観に沿った育成の仕組みや、やる気にさせ定着化させる仕組みについてご提案させていただきました。高齢者についても、政府の助成制度に触れながら、再雇用時の役割・処遇・賃金制度について解説し、高齢者の適性に合わせた雇用の方法をご提案させていただきました。

志村講師

受講者の感想

ご参加いただいた受講者の方々からは、以下のようなご意見をいただきました。

受講者の声(抜粋、要約)

  • 講演テーマは自社の事業にはほとんど関係ないと思っていました。非常に大きな気付きを頂けました。
  • 内容が濃く、示唆に富んでいて良かった。
  • 地場の建設会社で非常に先進的な取組みをしていることを知ることができました。大変ためになりました。
  • 取り上げられた失敗事例は、当社の話を聞いている様でした。これまでの取組はもう限界と思っていましたが、まだやる事がたくさんあると気付きました。
  • 非常に身につまされる講演内容で、大変勉強になりました。

当日、ご多忙の中ご来場くださった皆様には改めて感謝を申し上げます。

今後も、現場代理人育成他、多数のセミナーを開催いたします。詳しい建設セミナー情報については、HPでご案内いたしますのでぜひご覧ください。ご希望の方にはパンフレットご郵送いたします。
また、社内で研修会を開催される際、「建設業人材育成プログラム集」をご参考にご検討いただけたら幸いです。ご希望の方はお問合せください。

建設業現場力強化については、こちらをご覧ください。