「2012年新入社員育成講座」開催レポート
2012ニッコンHRDセミナー 「新入社員育成講座」 開催レポート
4月3日、4日の2日間、2012年度新入社員向け公開講座「新入社員育成講座」を開催いたしました。
本講座では、4社・団体から27名にご参加いただき、学生から社会人へ意識を切り替えた上で、自ら学ぶ姿勢を身につけることを目的とし、社会人としての基礎知識・マナーの習得、コミュニケーションのスキルのトレーニングを行いました。
■セミナー内容
【第1日目】
1.自己紹介(1人1分間)※ビデオ撮影
2.グループワーク
3.社会人になるということ
1)学生と社会人の違い
2)会社とは、組織とは
3)組織人に必要な意識
4.ビジネスマナー
1)身だしなみ
2)挨拶・お辞儀・歩き方・座り方
3)名刺交換
4)言葉づかい
5)ビジネス文書
6)来客・訪問応対
7)電話の取り方
【第2日目】
5.仕事の進め方
1)ホウレンソウの重要性
2)タイムマネジメントの考え方
6.ビジネスコミュニケーション
1)ビジネスを円滑に進めるためのコミュニケーションとは
2)上司・同僚とのコミュニケーション
3)社外の方とのコミュニケーション
7.総合演習
2日間の研修を踏まえて、総合演習を繰りかえし練習
■セミナーのポイント
はじめに講師である弊社パートナーコンサルタントの孫講師が挨拶し、受講者に研修の目的と1日目のゴールを説明しました。
「“学生と社会人の違いを知り、意識を切り替えて組織に貢献する意味を知ること。そのうえでビジネスマナーの意義や実践する効力を考え、マナーの基本である型を習得する”という1日目のゴールに対し、学生と社会人の大きな違いであるタイムマネジメントを意識し、研修中の1分1秒でもお給料が発生していることを忘れずに積極的に学んでいだたきたい」。
研修の冒頭で不安と緊張から表情も硬く、どのように反応してよいかわからない受講生の皆さんに対し、「首を横に振る、あいづちをうつなどでもよいので、反応を示すこと」のほか、まずはやってみて、失敗してもよいのでそこから学ぶこと、疑問を徹底的につぶすこと、メリハリをつけることなど、講師は研修期間のルールについても解説しました。
その一言で、表情がいくぶん和らぎ、目線をしっかり講師に向けて反応を示し、学びに対する姿勢が感じられるといった変化が見られました。
研修の目的を説明する孫講師
1.個人ワーク、グループワークで社会人の仕事の心得を学ぶ
午前中は、自己紹介からはじまり、グループワークのためのチーム名づくり、社会人と学生の違いや組織とは何かについて個人の意見を出し、グループワークで意見をまとめて発表するというワークを重ねました。
自己紹介では、趣味や学生時代のエピソード、どのような社会人になりたいかなどについて発表。あがり症を克服したい、信頼される社会人になりたいなどが多くあがりました。スポーツからお笑いまで多種多様な趣味や面白いエピソードに笑いが起こるなど、緊張の糸がほどけた瞬間にも見えました。
孫講師からは、仲間を大切にすること、緊張するという人が多かったことに対して「緊張は自分が思うよりも人に伝わっていないので安心すること」、掘り下げて考えることの3点のアドバイスがありました。
発表では、「信頼のある社会人」「元気いっぱいの社会人」「責任感のある社会人」になりたいという意見が多かったが、信頼がある、責任感があるとはどういうことか、元気があることで何ができるのか、など掘り下げて考えることが大事であるという話を、受講者は「なるほど」という表情でうなずきながら熱心に聞いていました。
一番初めに行ったグループワークが制限時間内に終わらなかったことに対しては、「チーム内でタイムマネジメントをしていましたか?」と質問。「全員が同じ仕事をしていても時間内に仕事を終わらせることは難しい。役割を考えて、時間を管理する人であるタイムキーパーの役割も必要」という指摘に対して、時間を延長して行ったワークでは早速、役割を話し合ったうえで実施し、その後のワークでも常に時間と役割分担を意識して実行していました。
特に時間については、「社会人と学生の時間は大きく異なり、社会人の時間は、相手の時間でもある。もしグループワークが商談の場面だったらということを考えてほしい」という言葉や、孫講師が企業に勤めていたころに体験した時間の大切さを実感した出来事などを聞き、受講者は時間が会社の責任や、信用に関わるものであることを深く心に留めている様子でした。
また、ワークを重ねるごとに初めは挙手をして発表する人がほとんどいなかったのに対し、我先にと挙手をする積極的な姿が見受けられるようになりました。
自己紹介の様子
グループワークの様子
2.ビジネスマナーの重要性を認識し、臨機応変な対応も学ぶ
マナーを学ぶにあたり、なぜビジネスマナーがあるのか、習得して実践できたときのメリットとデメリットについて個人で考えて発表いただきました。「相手の信頼を得る」「よい印象を与える」というメリットや「会社がいい加減だと思われる」「自分に自信が持てない」などのデメリット等、一人ひとりの発表について孫講師は、「ありがとうございます。そうですね。では…」と発表の内容を受け止め、それらに対してのプラスアルファの情報や問いかけ、アドバイスを加えて丁寧なフィードバックを行い、情報を共有しました。
おおむねマナーに対して、社会人の意識を持った答えが出そろい、共通認識ができたところで、身だしなみチェックや、表情・姿勢、立ち居振る舞い、挨拶の練習などを行ったことで、相手の目を意識して自分の言動・身なりを客観的に見ながら実行できていたようでした。また、孫講師から一人ひとりについて具体的な改善指導がなされ、受講者からも、このようなときにはどうするかという質問が積極的に寄せられていました。
ここで、朝、研修開始前に会場に入ってくる様子をVTRで撮影したものを見て改善ポイントを確認するというワークを実施。
研修前でマナーを学んでいない状態、つまりまだ学生の感覚で会場にやってきた自分たちの姿を見て、コートを脱がずに会場に入っていた、挨拶をしていなかった、表情がなく、姿勢が悪いまま歩いていてやる気が感じられなかったという反省点が指摘され、今だったらこのように行動するという改善への意見が多くあがっていました。
電話応対の基本や名刺交換、席次、敬語に関する基礎知識も学習。孫講師からは、「社会人という意識を高めて、特に言葉遣いに注意すること」と、最近の若者言葉や誤った敬語表現の例をあげて注意を促すとともに、敬語の問題を解いた際に受講生の多くが基本的な尊敬語の正答率が悪かったことに対して「覚えるには、まずは自分で使ってみること、上司の会話を注意して聞くことも勉強になる」とアドバイスしました。
さらに、基本の型を学んでも、その場に応じた対応も必要になってくることについて、「相手があってこそのマナー。迷ったら相手の気持ちを考えて判断する」と、自身が受けて気遣い・配慮を感じた会社訪問時の受付対応例などを交えて説明しました。
身だしなみをチェックし合うペアワーク
名刺交換の仕方を熱心に聴く受講生の皆さん
【2日目】
2日目は、仕事上におけるコミュニケーションの重要性を学び、報告・連絡・相談を中心に様々なワークを通じて、コミュニケーションの基礎力を身につけました。
まず、コミュニケーションの観点から学生と社会人の違いについて受講生に考えて発表していただき、違いを認識したうえで気をつけるべき行動についても講師と発表者との対話の中で考えていただきました。
「社会人のコミュニケーションは、組織の目標・目的のもとに存在している。バックグラウンドが異なる人たちとも協力・強調していかなければならないため、自分から関わっていく姿勢が大事。他人のせいにばかりする“他責”ではなく、“自責”で取り組むべき」という言葉を、受講生は深く心に刻んでいた様子でした。
1. 役割を変えて行うペアワークが、相手の立場に立って考える練習に
上司と上司に対面で報告を行う部下、取引先から電話を受けて報告する部下、上司からの通達を取引先担当者の留守番電話にメッセージを残す部下など、各人がそれぞれの役割を演じ、実際のビジネス場面で起こりうるケースの演習を多数実施しました。上司役も体験したことで、自分以外の報告の仕方を知り、自分がわかりにくいと感じた原因を探ることで最適な伝え方を考え、報告時の注意点を意識することにつながっていたようです。
講師は「混乱したときほど、確認することが重要。“こんなことなんでもないだろう”と思い込みをせず、わからないことをうやむやにしないこと」と、報告される側の手間や時間を割いてしまうことも意識して報告や確認をすることを指摘しました。
また、留守番電話のメッセージでは、会社の利益に関わる機密情報などについては残してよいものなのか判断して慎重に扱うことも加えました。
2.考えること、聞く態度の重要性を実感
話し手と聞き手の間にはたいていズレが生じるため、意思疎通がとれていないことを前提にコミュニケーションすること、話が盛り上がるかどうかは聞き手によるところが多いため、相手が話す環境をつくることの重要性を実感するワークを実施しました。
ここでも、態度の悪い聞き手と熱心に聞く聞き手を演じ分け、話し手がどう感じるか、またその立場を逆にして演じて話し合うことで、相手に気持よく話してもらえる聞き方を自身で実感できていたようです。
考えることについては、講師が冒頭に「若い人の傾向として、考えることをせず、すぐに答えを求めたがる。相談するときも、自分の中の答えを持って聞くことが大事」「皆さんの上司にあたる方々は、皆さんが何を考えているかわからないと思われている人が多い。けれども、上司の皆さんは新入社員を理解したいと思っている」ことなどを伝えました。新入社員とのコミュニケーションを期待していて、積極的に関わり合いを持ってもらいたいという上司の本音を聞いたことが、受講者が上司の立場になって考えるワークに積極的に取り組むきっかけになっていたようでした。
上司の行動や話した言葉について、ネガティブに受け止めるのではなく、その言動の背景にある思いを上司の立場になって考えて、どのように行動すべきかを導き出し、上司役に実際に真相を聞いてみるというワークを実施。弊社スタッフの上司役に対して緊張しながらお伺いを立て、フィードバックを受ける姿が印象的でした。
講師からは「相手の背景を知って行動すること、自分がどんな状況にあるか知ること、また周りにどんな影響を与えているかを知り、自分についてのフィードバックを恐れずに積極的に取りに行くことが大事」「考え方(受け止め方)次第で、行動が変わってくる。自分と違う意見の人が多いと思いますが、いったん受け止め、「なぜか?」を考えたうえでやってみること」と、コミュニケーションがうまくいくポイントについて解説がありました。
グループ発表の様子
3. 2日間の成果が感じられた「決意表明」
研修の最後に、1年後に絶対に達成したい目標と、その達成に向けての基本行動指針5つを受講者の皆さんに発表していただきました。
「言われたことをこなすだけでなく、自ら考えて行動すること」「コミュニケーション能力を高めること」「積極的に仕事に取り組み、学びの姿勢を大切にすること」など、どの目標も2日間で学習した内容を踏まえていて、行動指針も「失敗を恐れずに行動し、失敗をもとに学び吸収する」「タイムマネジメントをする」「相手の考えを意識する」「仲間を大切にする」「ホウレンソウをしっかり行う」「上司・先輩とコミュニケーションをとる」「常に笑顔・明るい表情を心がける」「聞き上手になる」「指導を受けたら、素直に受け止めて改善する」など講師の教えを受けて具体的な行動目標に落とし込んでいました。
これを受けて、講師は次のように述べ、2日間の研修を締めくくりました。
「2日間で皆さんは見違えるように社会人として成長したと感じました。自ら学ぶ姿勢を持つという研修の目標についても、決意表明から達成できたことが確認できます。グループワークでも他者との協力・強調して組織の目標に向かって活発な意見が出されて主体的な取り組みができるようになったと思います。目標は常に塗り替えるものです。今回の決意表明で掲げた目標は、達成したら次の目標を持って頑張っていただきたい。きっと皆さんはうまくいくはずです。今は自信がなくても、自信は自分を信じることでついてきます。自信がついたらやろうというのではなく、自分を信じて今からいろいろなことに取り組んで、素敵な社会人になってください」
当日、ご多忙の中ご来場いただいた皆様には改めて感謝を申し上げます。
■ 日本コンサルタントグループ 会社概要
- 【会社名】
- 株式会社日本コンサルタントグループ
- 【所在地】
- 〒161-8553 東京都新宿区下落合3丁目-22-15 ニッコンビル
- 【代表者】
- 清水秀一
- 【創 業】
- 1956年12月
- 【事業内容】
- 総合経営コンサルタント業(企業診断・改善支援、人材育成・能力開発、市場調査、地域開発、e-メールプロモーション・出版事業)
- 【事業所】
- 札幌、北東北、仙台、福島、新潟、東京、名古屋、金沢、大阪、福岡