「新入社員研修&OJTリーダー研修のプランニング法」セミナー開催レポート
2011年ニッコン人材開発セミナー 開催レポート
新入社員研修&OJTリーダー研修のプランニング法」
8月23日(火)に人事・教育担当者向けニッコン人材開発セミナー「新入社員研修&OJTリーダー研修のプランニング法」を開催いたしました。
セミナーでは、研修で学んだことを職場で実践でき、職場で起こる問題を乗り越えられる人材へと新入社員を育成する手段として、新入社員研修とOJTリーダー研修を取り上げ、研修設計の考え方からカリキュラム設定まで、実例を交えながら解説しました。
セミナー内容
第1部 |
新入社員研修を考える
1.入社後の発達課題と研修の位置づけ 2.カリキュラムに盛り込むべき重要要素 3.研修に有効な演習素材 |
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第2部 |
OJTリーダー研修を考える
1.良き先輩像とOJTリーダーの要件 2.育成活動を下支えする3つの骨子 3.研修に有効な演習素材 |
セミナーのポイント
インプットの効果を高めるための「解凍」「変革」「再凍結」ステップ
研修の場では模範解答に近い答えを導き出し、プレゼンテーションもうまく非常に優秀であるが、現場に出てみると問題に直面したときに打たれ弱く、自分で考えて行動できる力が弱いようである。これは、弊社が新入社員研修とセットでフォロー研修を実施させていただいている企業の人事担当者の方々の声や、自身が講師として新入社員の方々と接していて感じることです。
この状況から、研修において新入社員が職場に出てから問題を解決するための力が研修の場で養成されていないことが浮かび上がります。
その力を養うには、受講者の意識が大切です。研修は通過儀礼としてやらなければならないものと考えて、なぜ学ぶのかを意図せずに研修に望むのと、研修内容の必要性を認識し、それが職場での実践・問題解決にどうつながるかを考えてから望むのとでは、研修後のアウトプットに大きな差が出てきます。
内定者から会社の一員となった直後の新入社員は、大きな変化の時期にあります。期待や不安が入り混じっているこの時期に、一方的に知識・スキルの学習をはじめると、やらされ感を感じてしまいがちですが、知識を吸収するための心の状況を確認して、変化に対する不安などを受け止めるワークを設け、不安を取り除いてからスキル研修等を実施するのでは、集中度合いや受け入れ度合いに違いがあります。
これら2つの観点から、知識・スキルを高める学習の前の「解凍」作業を重視するのが、本研修の特長です。「解凍」とは、変革理論の「解凍→変革→再凍結」の最初の段階で、知識のインプットが「変革」にあたります。「再凍結」は知識・スキルを高めた上で、それらを定着・慣習化させるプロセスになります。
新入社員研修とOJTリーダー研修のどちらもこの理論をあてはめ、3つのステップで展開していきます。
職場で問題に直面したときに乗り越えられる力をつける
新入社員研修における「解凍」ステップでの演習のひとつに、企業理念に対する共感について、就職活動中と入社後を比較するものがあります。どのようなところに共感し、その理由は何か、自身が会社人になった今と以前とにギャップはあるか、そのギャップの原因を探るとともに、今は自分が理念を行動化していく立場にあることを認識してもらいます。
その行動につながるのが、一つひとつのマナーやスキルであることを理解していただき、インプットの効果を高める働きをします。
「変革」の場面では、ロールプレイングやグループ演習により基本知識やスキルを学びますが、ひとつのテーマを学習するごとに、実践で壁に直面したときに乗り越えられる応用力をつけるための質問をします。
それは、例えば挨拶をしても返してくれない上司にどう対応するかなど、ロールプレイングでは想定されなかった場面に直面したときにどのように行動するかという質問です。実際の仕事の現場では日々問題・課題があり、それを解決していく力が求められます。どんな場面でも同じように研修でやったことをそのまま実践して通用しなかった、というのでは意味がありません。基本知識・マナーやそれを使用するケースを学んだ上で、想定外の場面での解決法も考えることで、学習したことがなぜ必要か、どのような機能を持つかを再確認できます。
演習で出てきた答えについて、自分の言葉を使い噛み砕いて発言してもらう質問も投げかけます。優等生は質問に対して模範解答どおりの語句を使って簡潔に答えます。しかし、その言葉が自分のものとして定着していないと、別の言葉で言い換えたり、その言葉どおりの行動をどのように実行するかを考えることができません。「付加価値をつけるとはどういうことか?」「よいサービスとはどのようなサービスか?」「そのためにどのような行動が必要か?」。
学びを深める質問を投げかけて対話を重ねることで、受講者がわかっているようで理解していなかったことに気づき、自分の今後の行動に結びつけて考えるきっかけをつくります。
その他、具体的な演習素材や、演習のアウトプット例や受講者の声も紹介。OJTリーダー研修についても解凍段階における動機付けを促す方法や、育成計画作成のワークを紹介し、最後にOJTリーダー研修と新入社員研修との連動によるメリットなどついても解説しました。
受講者の感想
ご参加いただいた受講者の方々からは、以下のようなご意見をいただきました。
受講者の声(抜粋、要約)
- いくらかは「学生と社会人のちがい」というような内容の研修を行ってはいたが、彼らの不安さを考えたら不十分だったように思った。レディネスが非常に参考になりました
- 新人・メンター共に育成するための基本の考え方、研修実施例、また両者を同時進行で育成していくことの大切さがわかった
- 知識やスキルのインプット前に現状分析や考えを整理するワークの必要性を感じることができた
- 全体の流れと新人のキャリアビジョン作成が参考になりました
- 言葉の説明、内容、意味などがとてもわかりやすく理解することができました
- グループワークなどでもさらに一歩踏み込んで問いただすことの大切さを感じました
- 新人育成計画及び自己育成計画を作る視点が参考になりました
- 現在行っている新入社員研修に関して、自分が不足している点を知ることができた
- 「内面を整理する」という面は、今まであまり意識することがなかったので参考になった
- 理論に基づいた新人研修のプランニングが新人の腑に落ちる内容となることがわかり、役に立った
- 研修の構成が弊社のOJT研修と同じであるが、よりわかりやすく、実践的な内容であった
- 「理論による研修の組み立て」という視点が新鮮だった。「研修の意義」という点から新入社員の研修への納得性を引き出す重要性も理解できた
- OJTリーダーの経験を生かしながら行うことができるケースを例示していただけたので、大いに参考になった
- 研修のサンプル、ワークの事例がイメージしやすかった
- メンター制度の活用を再認識できた
当日、ご多忙の中ご来場いただいた皆様には改めて感謝を申し上げます。
今後も、人材育成に関するセミナーを開催いたします。
詳しい情報については、こちらのHPでご案内いたしますので、ぜひご覧ください。
- テーマ別・階層別等、各種研修を実施しております。詳しくはこちらをご覧ください。
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