2023年度版 新人・若手の育て方セミナー開催レポート

2023年度版 新人・若手の育て方セミナー開催レポート

2022年9月22日(木)【2023年度版 新人・若手の育て方】ウェビナーを開催いたしました。本ウェビナーは3名の講師に登壇いただき、職場での経験学習を促進する上で必要なポイントをそれぞれの専門分野の視点からご提言いただきました。当日は131社205名の皆様にご参加いただき、チャット上でも活発なご発言をいただきました。

プログラム内容と講義の要約

1.リフレクションによる内発的動機づけと成長支援の在り方について

1)リフレクションの目的
2)主体性を引き出すために必要なマネジャートレーナーの資質
3)主体性の育て方と成長ゴールの設定法

Picture1 クマヒラセキュリティ財団代表理事

 

熊平美香(クマヒラ ミカ)氏

リフレクションの目的は、物事に対して、これまで通りのやり方やモノの見方をそのまま適応するのではなく、批判的スタンスで経験から学び、考え行動することが可能になることです。そのためには「メタ認知力」と相手(新人・若手社員)が大切にしている価値観の理解と動機付の源泉を「対話」と「傾聴」により理解する行動が求められてきます。

そして、リフレクションを通して、ビジョン(ありたい姿)と自己を突き動かす価値観(動機の源)を繋ぐことにより、クリエイティブテンション(内発的動機)を高めることが成長促進の大きな要因となっていきます。
変えられない過去を振り返り、責任を追及したり反省するのではなく、過去の経験から学び、過去の経験をよい未来創りに活かすリフレクションに取り組む、SMARTゴールにより期待値を見える化し、内発的動機づけと結びつけることがこれからの現場で求められる重要な育成ステップです。

2.新人・若者の心理傾向と、性格に合わせたマネジメントを考える

1)現代若者の心理傾向
2)性格に合わせたマネジメント方法

Picture2 株式会社リーディングマーク

 

組織コンサルタント臨床⼼理⼠・公認⼼理師
佐藤 映 (サトウ ウツル) 氏

1996年~2015年生まれのZ世代は、生まれたときからインタネット等が普及していたため、デジタルネイティブです。技術や情報と共に⽣き、それがない世界を知らない世代です。Z世代のコミュニケーションの特徴としては、オンラインコミュニケーションが当然の世界の中で、オンライン⾃体がリアルです。対⾯とオンラインが重なり合うため、テキストコミュニケー ションが当たり前で⾃然です。そのため、対⾯交流にますます脆弱になりやすいが、 それでも特に困らない環境に適応してきたということが言えます。

情報選択や対⼈距離感、感情体験の捉え⽅が異なる中、Z世代である現代若者の性格に合わせたマネジメントのポイントとは

  1. 個性を考える前に信頼関係を構築するカウンセリングマインド
    ・頭ごなしの「指導」は⼊らない。まずは相⼿の状態を知り、受け⽌め理解したい姿勢を⾒せる。
  2. 性格(理想・⾃然)と意識(現実)のギャップを知る
    ・本⼈の性格に合わせた仕事のやり⽅や、息抜きの仕⽅、⼈間関係の作り⽅がある前提で、いかにそのギャップを拡げないような関わり⽅が出来るかが重要である。
  3. より詳細な個性を知り、マネジメントに活かす
    ・コミュニケーションスタイルやモチベーションの源泉を知り、個性に合わせた声掛けを⾏う。
    ・⾃分とメンバーの性格の違いをデータで見極められるツールの活用も、マネジメント質の向上をはかる手法として効果的である。

3.今後の新人・若手育成に必要な事とは

1)研修の現場から見た、新人・若手社員の変化
2)これからの新人・若手社員への対応 -OJTのポイント-

Picture1 株式会社日本コンサルタントグループ

 

経営コンサルタント 辻村尚史

研修の現場から見て、現代若者の研修の取り組みの姿勢は、総じてモチベーションが高く真摯な態度で取り組んでいる印象があります。学ぶ意欲は高く、真面目で、自分たちで考える課題を設定すると非常に楽しく取り組んています。振り返りでも「何を学べた、気づけた」ということに対して敏感で貪欲です。ただ休憩時間になると、直ぐにスマートフォンに手が伸び、周りの人との関わりを自ら進んで行うという行動が希薄です。嫌いなわけではなく、手元(スマホ)に面白い世界があることに意識が向いてしまいます。「どうなるかわからない」ことへ首を突っ込むことへの不安や忌避行動は強い(間違いたくない、失敗したくない)ように思われます。

これからの育成は「育てて成す」ではなく「自ら育つ環境づくりで(自らが)成していく支援」を行うことがOJTのポイントではないでしょうか。今までのような「会社とはこういうものだ」「自分たちはこうだった」というスタイル通用しません。新人・若手を一面で捉えず複層的・多面的にとらえる、管理から「観察」へ、場づくり仕組づくりでカバーするような取り組みが、新人・若手社員の成長を促します。

テキストのサンプル(抜粋)

1.リフレクションによる内発的動機づけと成長支援の在り方について

c

b

2.新人・若者の心理傾向と、性格に合わせたマネジメントを考える

d

e

3.今後の新人・若手育成に必要な事とは

f

g

アンケート結果(抜粋)

回答者数 117名

セミナーの内容に関して、ご満足いただけましたでしょうか。1

今回のセミナーで最も参考になったセッションはどれですか?2

新入社員研修において、重視する領域(項目)は何ですか?(複数回答)3

特に印象に残った、ご参考になった内容についてのコメント

  • リフレクションのフレームワークは参考になりました。
  • 仕事のMVPを意識する必要性を感じました。
  • 上司が認識を変える必要を強く感じました。
  • 従来の教育方法や新人とのつきあい方では理解されないことを学んだ。若手育成の傾向についても非常に参考になりましたが、解決策はやはり「リフレクション」にあるように感じましたので選択しました。これからの研修はリフレクションをどのように研修デザインの中に組み込んでいくかがひとつの解決策と感じました。
  • 若手社員の指導方法を、会社全体として変えていかなければいけないと強く感じました。まずは自分が変わらなければいけません。
  • 新入社員だけでなく、さまざまなところで活用できると思いました。
  • 辻村先生の研修の中に”若手が成長したいというのは自信が欲しいとの欲求の現れ”とあったが、若手のモチベーションが全く分かっていなかったと言う反省を強く認識した。
  • 新人を受け入れる側の上司や組織が、世の中の流れや最新の状況を学ぶ必要がある。理解し合えない関係が、早期離職や世代間ギャップなどの残念な結果を生んでしまう。
  • リフレクションのフレームワークは参考になりました。経験とともに感情を伝えるということを意識していきたいです。また最近の新人の傾向やそのような傾向の背景を知ることができたのは新人育成をしていくうえで活かしていきたいと思います。

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