建設業の事業再生支援

建設業の事業再生支援

利益創出に向けた原価管理システムの再構築

受注から施工にいたる業務での課題として、

  • いかにして(具体的な利益額を見込んで)受注をすればよいのか・・・
  • 施工期間中どのようにして現場管理しなければならないのか・・・
  • 利益創出のポイントはどこか・・・

が見極められていない場合が多くあります。
そこで、次の2点を中心にしくみの改善を図ります。

  1. 自社にある顧客や個別の工事データを活用し、現状の業務システムを確認しながら、効果的な施工管理、原価管理のしくみを明確化する。
  2. どのようにして利益創出の手順を組み立てるのか、データを活用し、改善活動の対象を絞り込みながら物件ごとの効果的な現場運営・利益創出の具体化を図る。

プロジェクトの内容

施工機能のあるべき姿を設定し、改革の方向性を設定します。そして、コストマネジメントシステムの構築としくみの機能化を図ります。

積算機能 【改革の方向性】

受注競争力のある自社単価での受注力アップと利益率の改善

【あるべき姿】

  • 競争力を考慮した単価設定がされている
  • 原価標準が明確化されている
  • 購買(調達)機能との連携が図られている
  • 事前原価計算が機能化している
購買機能 【改革の方向性】

自社標準単価・標準歩掛の整備協力会社との関係改善、強化

【あるべき姿】

  • コストダウンを実施する際の指標(目安)となる標準単価
  • 標準歩掛が整備されている
  • 資材および協力会社の発注に競争原理を取り入れた発注基準
  • 発注計画の見直し・整備や発注単価の整備がなされている
  • 協力会社の見直しを組織的に行い、責任施工を具体化する協力会社に対し、お互いの役割分担を明確に設定してしている
  • 協力会社に対して公平・公正に対応するための評価・査定システムの整備を、協力会社の指導・育成および発注に反映させている
原価管理機能 【改革の方向性】

現場業務におけるマネジメント(P-D-C-A)が機能する体制

【あるべき姿】

  • 現場環境を考慮した精度の高い予算書がプロジェクト着工前に作成されている
  • 工事の中間時点で損益予想がされ、予算オーバーに対しては迅速な対応がとられている
  • 予算・実績の対比が金額だけでなく、数量ベースでも実施され、その差異分析が適確になされている
コミュニケーション機能 【改革の方向性】

組織としての改善活動と人材育成活動が図られる

【あるべき姿】

  • プロジェクト着工前に検討会議を開き、製造・施工計画および実行予算を綿密に検討している
  • 代理人会議を定期的に開き、工程の遅れや予算オーバー等に対して、タイムリーかつ適切な指導がされている

 コンサルティングステップ

STEP1:現状分析および改善の方向づけ

  • 建設企業の主要メンバーへのヒアリングおよび資料分析による戦略課題の明確化と改革・改善の方向づけ
  • 分析結果と方向性についての報告会(合意形成)

STEP2:改善計画の策定

  • 重点課題の明確化
  • 原価管理と経営管理に関する改善計画の策定
    (コストマネジメントシステムの構築および経営管理に関わるしくみ再構築のための計画づくり)
  • 現在の中期経営計画への組み込み

STEP3:改善プロジェクトの実行

  • 重点課題の軌道乗せ(プロジェクトメンバーによる改善活動)
    • 収益力の再構築プロジェクト
    • 事業の再構築プロジェクト
    • 業務の再構築プロジェクト

建設業のコンサルティング事例

 企業概要

  • 業態:土木工事・管工事・造園工事
  • 完工高:8億円
  • 従業員数:18名
  • 比率:元請90%、土木90%
  • 備考:長期借入金1億1千万円 短期借入金0円

 経営実態

  1. 完工高を増やすことが経営目的になっている。
  2. 予算実績対比は、請求書と出来高進捗率の対比で行っている。予算消化状況の把握が遅い。
  3. 長期借入金の増大、3,610万円の保険商品に加入していたが解約を考えている。
  4. 民間工事の受注に関しては営業部長が中心に取り組んでいる。
  5. 現場施工班の手配も営業部長が実施している。
  6. 業者発注も営業部長がしている。
  7. 現場責任者クラスで生産性向上の勉強会を7~8年前からスタートしている。
  8. 検討会議を実施し、「資料シート」を作成しているが、活用されていない。

 コンサルティング内容

  1. 工事種別利益目標を設定し進捗管理を実施
    完工高を増やす管理により、粗利益の低下となっている。工事種類別に利益目標を設定し、受注目標への反映や外注管理の基準とした。
  2. 長期借入金の返済
    長期借入金の中で、保険商品を解約し返済にあてる。また金利の動向、銀行との関係を見ながら、残りの長期借入金と預金・貯金との相殺を検討して実施した。
  3. 工事部門の責任者の育成を育成し、営業部長を本来業務に集中
    下請業者への発注や現場施工班の手配等の管理が、すべて営業部長に集中している。早急に工事部門の責任者を育て、営業部長は営業に専念できるようにした。
  4. 施工事例集を作成し技術伝承を実現
    施工事例集は経験・情報の共有化を目的とする。その発表会での質疑応答、事例研究を通じて、経験のない工事でも事前に工事のイメージをつかめるようになり、工事部門の質の向上につながった。

※プログラムは一例です。プロジェクトの企画・実施にあたっては当社の営業担当者がお伺いし、お客様の目的、対象者などを確認させていただいた後、オリジナルプログラムの設計をいたします。