第10回「不妊治療の保険適用について」
これまでも政府主導において様々な少子化対策が取られてきています。しかしながら、2021年の出生数は811,604人と、昨年より29千人ほど減少しており、2022年上半期の時点でも380千人と初めて400千人を下回り過去最少となっています。
少子化の主な原因に晩婚化の進行等による未婚率の上昇があります。その背景には、仕事と子育ての両立の負担感の増大も一因と考えられており、様々な子育て家庭を支援する施策がうたれています。
一方で更なる少子化対策として2022年4月から、人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」について、保険適用されることとなりました。
そもそも「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しない状態のことをいいます。妊娠しない理由は男女双方に起因するといわれており、治療方法は状況に応じて複数あります。しかしながら体外受精等、治療方法により高額な費用が掛かるため、精神・身体的な負担の大きさも相まって、躊躇する方が多かったとも思料いたします。
この度の保険適用は不妊治療を望む方には朗報でありますし、今後も少子化対策の一環として更によりよい施策が施行されることを期待するところです。