MIURA INDUSTRIES (THAILAND)様
「タイでのNo.1ボイラ企業になり、タイ国に省エネ・環境で社会貢献する」
スタッフ全員でこのビジョンを成し遂げたい
ミウラグループ様は、三浦工業(株)を中心に20社(国内7社、海外13社)で構成されており、小型貫流ボイラ・舶用ボイラ・排ガスボイラ・水処理装置・食品機械・気滅菌器・ボイラ用薬品の製造販売とメンテナンス、環境計量証明業などを主に手がけています。
主力事業である小型貫流ボイラ事業をはじめ、水処理事業、舶用事業、特機事業、食品機械事業、メディカル事業をグローバルに展開しており、特にアジア、北中南米において、国内で培ったメンテナンスのノウハウや省エネルギー・環境保全の提案などミウラ独自のビジネスモデルを展開しています。
2014年8月、タイに現地法人を設立し「タイでのNo.1ボイラ企業になり、タイ国に省エネ・環境で社会貢献する」ことを目指して事業をスタートしました。日本コンサルタントグループ(以下、ニッコン)は全社員研修を提案、2015年6月に研修を実施しました。研修導入の意図や具体的な内容、成果について、経営トップの光宗宏晃 President様にお話をお伺いしました。
――タイ現地法人を設立されて現在どのような感想をお持ちでしょうか。
光宗様)私自身、タイに来る前は中国におりまして、日系企業が外国で仕事をする際はある程度その国の文化にこちらが合わせる必要性は理解していたつもりですが、やはり赴任してみるとその実感は大きなものがありますね。一番感じるのはタイの国民性でしょうが時間の観念が日本人とは全く違うことですね。他の企業の方々からは他者への無関心、帰属意識の欠如などといったこともタイ人の特徴だと聞いていましたが、その点今のところ当社のスタッフは大丈夫そうです。
朝は全員で朝礼を行い、ラジオ体操をするなど日本式を取り入れていますが、否定的な態度を取るスタッフは一人もいませんので、今いるスタッフがこのまま育ってくれればいいなと感じています。
――全社員研修を実施されたいきさつをお聞かせください。
光宗様)当社は日本では、設立から55年余りですが、タイでは設立間もない企業です。以前より代理店は存在していましたが、この度アジアでの事業基盤をより強固なものにしようとMIURA INDUSTRIES (THAILAND) CO., LTD.を立ち上げました。設立当初は様々な業務に追われて全員目の前の仕事をこなすのが精一杯でしたが、社員が20名を超え、ようやく組織も固まってきたので、どこかのタイミングでベクトル合わせというか意識統一の機会を探っていたところ日本テピア(株)の石毛さんからご紹介いただいたことから研修実施に至りました。
――研修の成果はいかがでしょう。
光宗様)まだ研修が終わったばかりですので明確な違いはわかりませんが、研修で学んだ挨拶の仕方を会議の初めと終わりにも実施するようになりました。みんな自主的にやっていますよ。これは研修の休憩に入る時と研修を再開する時に「アリガトウゴザイマシタ」「ヨロシクオネガイシマス」と言ってけじめをつけていたことを取り入れたものです。まだまだたどたどしい日本語ですが、見ていると微笑ましく映りますし、日系企業で働いていることを自覚してくれているな~と思います。
ローカルスタッフの研修は本来はお休みの土曜日に行いましたが、日本人赴任者も全員参加させましたので、より一層の一体感は生まれた感じはします。
――今回の研修をニッコンに発注した理由をお聞かせください。
光宗様)先ほどもお話ししましたが、日本テピアの石毛さんがニッコンさんを紹介してくれました。日本テピアさんは当社の省エネ事業のパートナーで、NEDO案件やタイ政府へのロビー活動などをサポート頂いている会社で、ニッコンさんはこれまでもタイで仕事をしてこられたということですし、テピアさんの紹介なら間違いないだろうということでニッコンさんに依頼しました。
――実際の研修に関してはいかがでしょう。
光宗様)こちらの要望をある程度入れて研修プログラムを組んでいただいたと思います。ローカルスタッフの研修ではやはり時間的な問題ですべて触れることはできませんでしたが、日本語とタイ語が併記されたテキストを作成してもらいましたので、今後は日本人赴任者によるOJTでこのテキストが活用できそうだと思っています。
――講師に関してはどのように評価されていますでしょうか。
光宗様)当社にはもちろん初めてお越しいただいたわけですが、事前にいろいろ調べていただいて研修に臨んでくださったり、慣れない環境で熱心に講義していただき、今回は研修をしていただいてよかったなと感じています。ローカルスタッフの研修冒頭、タイ語でご挨拶をされた時は少しビックリしました。うちのスタッフも「おっ!?」と思ったのではないでしょうか。さすがプロだなと思いました。
――研修対象はどのような方々なのでしょう。
光宗様)今回は2日間で2つの研修を行いました。初日は日本人赴任者のマネジメント研修、翌日はタイのローカルスタッフの全社員研修です。日本人の赴任者は私を含めて4名ですが、中には日本でのマネジメント経験のない者もおり、国は違えどやはり業務をどう回し人をどう動かすかというマネジメントの基本は必須のスキルだと思いますので、基本的なマネジメント研修をお願いしました。タイのローカルスタッフはドライバーさんまで含めてまさに全スタッフに参加してもらいました。内容的には日本で行う新入社員研修のような内容ですが、当社は若いスタッフが多く、このような研修は初めてというスタッフも多く、皆大変前向きに取り組んでいました。
――具体的な研修内容についてお聞かせください。
光宗様)日本人赴任者のマネジメント研修は「組織運営」「リーダーシップ」「コミュニケーション」などのマネジメントの基本的な内容です。基本的な理論は今回研修講師をお願いした池田講師から座学でレクチャーを受けましたが、受講者が4名ということもあり、折に触れてそれぞれが考える時間や相談する時間を多く設けてもらったので、より理解が深まったと感じています。研修の後半はタイにおけるマネジメント術ということでタイ人に特化したマネジメントのあり方を日本テピアの石毛さんからレクチャーいただきました。タイについて知っているようで知らないことや、タイ人とのコミュニケーションのポイントなど大変実践的な講義でした。タイ語ミニ講座では、目から鱗の話をいくつも紹介してもらいとてもためになりました。
ローカルスタッフの全社員研修は、「仕事の進め方」「時間管理」「PDCA」「ホウ・レン・ソウ」「ビジネスマナー」「職場のコミュニケーション」といった内容を学んでもらいました。こちらは通訳を介しての研修なので時間はかかりましたが、それぞれ基本的な内容を分かりやすく池田講師に研修してもらいました。途中、口頭コミュニケーションによる図形の組み合わせゲームを行いましたが、これには全員苦労していましたね。伝えることの難しさ、確認することの重要性を学んでもらえたと思います。実は前日に日本人赴任者も同じゲームをやったのですが、結構苦労しましたよ(笑)。
――今後、ニッコンに期待することをお聞かせください。
光宗様)研修はある程度継続しないと効果は出ませんので、引き続き提案が欲しいですね。現在私どもはメンテナンス業務に力を入れていますが、これからは営業も増員し力を入れていくので営業関連のテーマでの研修も必要になってくると思います。ローカルスタッフ研修ではビジネスマナーも教わりましたが、営業に特化したマナー教育や営業テクニックなども研修してもらえたらと感じています。
また、ローカルスタッフの中心となる人物である幹部候補生にマネジメントスキルなどを教育していく必要も感じていますので、今後も専門企業としてのアドバイスをもらえることを期待しています。
- お話を伺った方:
- President 光宗 宏晃 様
- 取材地:
- MIURA INDUSTRIES (THAILAND) CO., LTD.
- 公開日:
- 2015年8月3日(名称等は、公開当時のものです)
企業情報
会社名 | 三浦工業株式会社(MIURA CO., LTD.) |
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代表者 | 代表取締役社長 髙橋 祐二 |
所在地 | 〒799‐2696 愛媛県松山市堀江町7番地 |
設立 | 1959年(昭和34年)5月1日 |
資本金 | 95億4400万円(2014年3月31日現在) |
従業員数 | 2,712名〔単独〕、4,205名〔連結〕(2014年3月31日現在) |
事業内容 | 小型貫流ボイラ・舶用ボイラ・排ガスボイラ・水処理装置・食品機械・滅菌器・薬品等の製造販売、メンテナンス、環境計量証明業 等 |
公式サイト | http://www.miuraz.co.jp |
タイ法人 | MIURA INDUSTRIES (THAILAND) CO.,LTD. |
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代表者 | 代表取締役社長 光宗宏晃 |
所在地 | 84/2 Moo9, Bangwua, Bangpakong, Chachoengsao24130 Thailand |
設立 | 2014年8月6日 |
資本金 | 12,000,000THB(363,637ドル) |
従業員数 | 23名(日本人4名) |
販売・メンテナンス体制 | 現地法人会社による販売、メンテナンスを展開中(日本と同じく電話回線を使ったオンラインメンテナンスを実施)。ボイラ用薬品の製造・販売、水分析をタイ国内で実施。 |
関連項目
コンサルタントの声
専門分野 営業部門強化実務コンサルティング営業プロセスマネジメント研修・商談スキル向上研修管理者に対するマネジメント能力開発キャリアデザイン研修
今回、三浦工業様タイ法人設立に伴い、日本人赴任者のマネジメント研修とローカルスタッフの基本研修を実施したわけですが、事前に光宗社長様にタイ事業における明確なビジョンとそれを実現するために日本人赴任者、ローカルスタッフの育成に対しての強い思いをお伺いいたしました。
初めて事務所にお伺いした際、ローカルスタッフの方々の明るく、元気な挨拶に迎えられ、とてもやる気に満ち溢れている印象でした。
その事業理念や会社の姿勢をベースに進めることを意識して研修を実施しました。
研修当日もそのままの雰囲気で、日本的ビジネスマナーや仕事の進め方、コミュニケーションについて学んで頂きましたが、普段日本人向けに研修をやっている時感じる以上に、何かを吸収しようという高い意欲を感じました。また、メンバー間のコミュニケーションも良く、これからの仕事のなかでもよい相乗効果を発揮するものと思います。
日本人赴任者も自ら志願してタイに来ただけありとても意欲的で、タイ事業の軌道乗せのために自らのマネジメント力向上に対して高い問題意識を持っていました。
今回は全体的なベクトル合わせを含め意識統一のいい機会だったのではと考えます。
こらから本格的な事業展開していく中で、それぞれの役割を遂行し、チーム一体となって目標達成に向けて大いに力を発揮されることを期待しております。