中高年齢者の行動変容の促進キャリア・シフトチェンジワークショップ

中高年齢者の行動変容の促進キャリア・シフトチェンジワークショップ

 ~活き活きと働き続けるシニアの実現に向けた、中高年齢者の行動変容の促進研修~

プログラムのねらい ~シニア世代になっても職場の戦力として活き活きと働くために

人生100年時代といわれる現代では、一般的な定年である60歳を超えても働き続けることが当たり前になっています。

事実、高年齢者雇用安定法により企業には65歳までの雇用確保措置(定年年齢の引き上げ、継続雇用制度、定年制度の廃止)が義務付けられています。そして以下に示すとおり66歳以上働ける制度のある企業は、報告企業の33.4%(54,802社)となっています。

70歳まで働きたいすべての人が働けるように、政府が企業に高齢者の雇用機会をつくるよう努力義務を課す方針を打ち出しました。高齢者の働く意欲を生かし、人手不足の緩和につなげるねらいがあります。

70歳までの雇用は当面は「努力義務」とし、企業が守らなくてもペナルティーはありません。ただ、政府は企業の取り組みを見極めたうえで、将来的には企業に義務づけることを検討します。 

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   令和2年「高齢者の雇用状況」集計結果   

Ⅰ  65 歳までの高年齢者雇用確保措置ある企業状況

① 65 歳までの雇用確保措置ある企業は 計164,033社(99.9 %)
② 65 歳定年企業は30,250社(11.9 %、対前年 1.3 ポイント 増)

Ⅱ  66 歳以上働ける企業の状況

① 66 歳以上働ける制度のある企業は 54,802社(33.4 %、対前年2.6ポイント増)
② 70 歳以上働ける制度のある企業は 51,633社(31.5 %、対前年 2.6 ポイント 増)
③ 定年制廃止企業は 4,468社(2.7 %、対前年 変動なし)

※集計対象は、全国の常時雇用する労働者が31人以上の企業164,151社。このうち中小企業(31~300人規模)は147,081社(31~50人規模:56,759社、51~300人規模:90,322社)、大企業(301人以上規模)は17,070社

出典:厚生労働省「高年齢者の雇用状況」(令和2年6月1日現在)

最後の大量採用世代「バブル入社組(目安1988-1992年)」が50歳を超えてきています。さらに、団塊ジュニア世代(1971年から1974年生まれ)が45歳以上の中高年齢者に達してきています。つまり、将来のシニア予備軍も確実に組織内に増えてきているのです。

このように60歳を超えても働き続けるシニア世代の増加(傾向)は、その人たちの戦力化が、組織・人事管理上にとどまらず、経営上の重要な課題になることを意味しています。

では、シニア世代が戦力として活き活きと働き続けるためには、何が大切でしょうか。

この「キャリア・シフトチェンジのためのワークショップ(以下CSCワークショップ)」は、その問いの答えの1つとして、シニア期に迎える労働環境の変化(仕事の役割、立場、働き方)への意識転換を、ミドル期後半から準備することが必要であるという考え方から開発されたものです。

CSCワークショップは、現在40歳代半ばから50歳代前半のビジネスパーソンを主な対象として、その方たちがシニア世代になっても職場の戦力として活き活きと働き続けるためにはどうしたらよいか自ら考え、それを実現するための行動変容を促すことを目的としています。

「キャリア・シフトチェンジのためのワークショップインストラクター・ガイド※」では、ワークショップ前の個人の状態と、ワークショップ終了時およびワークショップ後の個人の状態について以下のとおりとしています。

ワークショップ前の個人の状態

  • シニアになってからの働き方など考えていない
  • 将来の働き方に不安を抱えている
  • 自分の現状能力と将来のつながりが曖昧だ
 

 CSCワークショップの受講

  

ワークショップ終了時の個人の状態(研修効果)

  • 将来の働き方についてイメージができるようになった
  • 将来にわたって活き活きと働き続けるために、どんな能力を備える必要があるのか分かった
  • 決めた目標に向かって頑張ろうと思う
  

 ワークショップ後の個人の状態

  • プラットフォーム能力(環境変化にも柔軟に対応できる基礎能力)の自己診断で現在の水準を意識して、自分が立てたアクションプランに基づいて行動している

プログラムの特長

  • 目的は能力開発

人件費抑制や人の振り落としの選考に使うといったものではありません。

  • 受講対象者はミドル層(40歳代半ば以降)

定年間近に準備を始めても間に合わない場合もあります。40歳代半ばから受講対象となるように設計しています。

  • 無理なく取り組めるプログラムと独自開発教材

講義だけでなく、個人ワーク、グループワークを組み合わせ、主体的に取り組めるよう工夫しています。

  • 講師は中央職業能力開発協会が修了認定したインストラクター

使用教材は修了認定インストラクターだけに販売されています。

  • オプション追加が可能

プログラムは標準化されており、原則として内容変更や時間短縮はできません。しかし、各社の再雇用制度・年金制度の説明やシニアライフプランの検討などを追加することはできます。

   ニッコンの提供プログラムの特長   
  • 弊社では、標準時間(6時間)+1時間の計7時間を基本として、各種ワークの取り組みや振り返りをより丁寧に行うことにしています。
  • 担当講師は、キャリアコンサルタント有資格者ももちろんおりますが、経営コンサルタント、研修ファシリテーター・講師としてさまざまな規模・業種・テーマでサービスを提供してきたベテランの者たちです。組織の状況はもちろん、受講生の置かれている状況や持っている不安に寄り添いながらファシリテートできる実力があります。またワークショップのテーマだけに限らず、さまざまなご要望にお応えできる力があります。
  • また、担当講師は全員が50歳以上で、なかには60歳を超えている者もいます。したがって自らの経験談も含めて受講生の気づきを促すことが期待できます。
  • 弊社内に複数のCSCワークショップインストラクターがいるため、講師間のバラツキを抑えながら、複数コースを同時期に短期間で開催できます。
  • 弊社では、CSCワークショップに関連したテーマ(自社独自の再雇用制度や企業年金説明など)について動画やEラーニング、ハンドブックなどに加工して提供できるメディアサービス機能も提供できます。

キャリア・シフトチェンンジワークショップ認定インストラクター

研修カリキュラム例

9:00 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

17:00

◆オリエンテーション  ワークショップの目的、進め方を理解し、参加意識と関心を高める
1.キャリアの概念理解  「キャリア」の基本概念、考える意義、発達課題などを理解する
2.環境変化と組織の期待 シニアの働く環境変化に目を向け、国の政策や企業の施策、シニアへの期待を理解する
3.キャリアシフトチェンジの概念と必要性の理解 ・ キャリア・シフトチェンジの概念を理解し、自分自身に当てはめて考える
・ 事例検討を通してシニアとして活き活き働くために必要な能力について考え、イメージを具体的に持つ
(1)診断票Ⅰ(質問票)への回答(自己診断)
(2)シニアの働き方と期待(グループワーク)
(3)キャリア・シフトチェンジの解説
(4)事例研究①(個人ワーク、グループワーク)
4.自己理解の促進~プラットフォーム能力診断 ・  プラットフォーム能力(環境変化にも柔軟に対応できる基礎能力:以下PF能力)の意義と内容を知り、その必要性を理解する
・ 事例研究を通じ、PF能力について具体的な理解を深める
・ PF能力の現状レベルを、主観的に把握する
・ 診断結果の集計整理を通して、PF能力の相対的な水準を把握する
(1)プラットフォーム能力とは何か
(2)事例研究②を通じた能力要素の理解(グループワーク)
(3)診断票Ⅱ(レベル認識票)を使用した自己診断
(4)診断集計による自己水準の理解(個人ワーク)
5.診断結果の整理と行動計画の策定 ・ 診断結果の整理を通して自己洞察を深めるとともに、今の自分のPF能力の強み・弱みを把握する
・「私がなりたいシニア像」を実現するため、今から準備すべきことがあることを認識し、今後の取り組み姿勢を明確にする

標準プログラム

学びのポイントを段階的に踏んでいくことで正しい理解ができ、自分自身の気づきと行動変容が得られるよう11のパートに分かれています。

  • 標準時間:1日6時間(ニッコンでは7時間を基本)
  • 開催人数:最大24名(6名×4グループ)

準備事前 課題の取り組み

事前課題(事例、シニア世代の働き方のありたい姿)に取り組み、シニアになった自分がどう働いていくかを意識しておく。

PART1:オリエンテーション

ワークショップへの参加意識と関心を高め、ワークショップの目的、進め方を理解する。

PART2:診断票Ⅰ(質問票)への回答

先入観のない状態で、プラットフォーム能力の自己診断を行う。

PART3:キャリア・シフトチェンジの解説とグループワーク①(意見交換)

キャリア・シフトチェンジ*の概念と必要性について、ライフキャリア・チェーン*およびシニア世代を取り巻く雇用環境との関係から理解し、キャリア・シフトチェンジを自分自身に当てはめて考える。

*キャリア・シフトチェンジ:高年齢期に達する前段階で、これまで培ってきた知識、スキル、行動特性、職業観などを棚卸しし、高年齢期の働き方に向けて仕事の型を作り直していくこと。*ライフキャリア・チェーン:職業生活を「若者」「ミドル」「シニア」といった年代の連鎖としてキャリアを捉える考え方。

キャリアシフトチェンジ

PART4:個人ワーク・グループワーク②とグループ発表(事例検討)

事例検討を通してシニアとして活き活き働くために必要な能力について考え、イメージを具体的に持つ。

PART5:プラットフォーム能力(環境変化にも柔軟に対応できる基礎能力)の解説

プラットフォーム能力の意義と内容を知り、その必要性を理解する。

キャリアシフトチェンジ2

PART6:グループワーク③(事例再検討)とグループ発表

プラットフォーム能力を事例に照らし合わせることで、プラットフォーム能力について具体的な理解を深める。

PART7:診断票Ⅱ(レベル認識票)を使用した自己診断

プラットフォーム能力の現状レベルを、主観的に把握する。

PART8:診断票Ⅰの集計整理

診断結果の集計整理を通して、プラットフォーム能力の相対的な水準を把握する。

PART9:診断結果の整理と行動計画の策定

自己洞察を深め、自分のプラットフォーム能力の強み弱みを把握する。なりたいシニア像実現のため、今から準備すべきことを認識し、今後の取り組み姿勢を明確にする。

PART10:自己開示とフィードバック

自分のありたい姿に向けての取り組み姿勢をより強固なものにする。

PART11:振り返り

ワークショップで学んだことを再確認してもらう。


※この研修(ワークショップ)は、職業能力開発促進法に則って発足した「中央職業能力開発協会(JAVADA)」と「日本人材マネジメント協会(JSHRM)」が連携して開発したものです。中央職業能力開発協会が実施する研修(CSCワークショップインストラクター養成研修)を受講し、修了認定を得た、当社のコンサルタント(CSCワークショップインストラクター)が運営するものです。

※参照・参考文献・URL