V社食品スーパー「顧客満足向上の取り組み」

V社食品スーパー「顧客満足向上の取り組み」

V社食品スーパーのお困りごと

  • 店舗数 140店舗程度の食品スーパー
  • 最近、売場で品出ししている人に対するご意見の件数が増加している。
  • ご意見の内容は、「品出ししている人の近くを通っても挨拶がない。」「商品を取りたいが、品出しでどいてくれないため商品が取りにくい」。「接客の態度が悪い」などである。このような【クレームが増えていること】が経営陣の耳に入っていて、早急に手を打つようにと指示されている。
  • 店舗でおこなう顧客満足のための【CS行動」を記した行動指針はあるが、実践につながっていない。(実施されていない。)
  • 人事部門として、どのような取り組みを、どのような手順で実施すればよいか決められない。

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コンサルタント・企画担当の問題認識

  1.  CS行動基準を記した紙ベースの行動指針がある。指針が具体的な行動として示されていない。そのため、従業員はCS行動を実施していないため、クレームが発生している。
  2. CS行動基準の具体化がされていない中で、店舗のパート・アルバイトの教育が行われてきた。
  3. 社員・パート・アルバイトそれぞれの個々人でよい行動をとっている店舗はあるが横展開ができていない。

 

   ご提案   

問題を解決するために、CS行動を具体的に見える形にする。
見える形にしたCS行動を従業員に教育を通じて理解・習得してもらい、現場で実践するためにCS活動を促進する施策を講じる。

①CS行動基準の【具体化】・【見える化】として映像化を行い、その映像をベースにした学習用の動画教材を開発する。
教える人によってバラツキが出ない。見せて理解を促進する学習ツールとする。

②動画教材や業務マニュアルなどの資料を共有化するための情報共有システムを活用し、いつでも店舗で学習できる環境を整備する。教える人がいない状況でも学習することができ、教わる人が積極的に見る環境を整え、教える人の負担を軽減する。

③映像学習後に確認テストを行う。そのためのチェックリストやテストを開発する。
チェックリストによるチェック、確認テスト等を実施することで、個人のレベル、店舗のレベルを把握する。チェックリストや確認テストを実施することで、個人に求める目標を明らかにすることにつながる。個人の結果を集計して、店舗レベルを明らかにして他店と共有することで、店舗同士を競争させる。

 

具体的な取り組み

①CS行動基準の具体化・見える化

接客・接遇の基本について具体的なやり方を映像化(挨拶の基準/笑顔/声掛けなど)した。
また、「現場でよくあるクレームにつながる場面」について原因分析や事例研究を行い、発生を防ぐためのやり方を具体化し、見える形にする。その他、現場でよくある場面について従業員が行うCS行動を具体化する。必要な部分は映像化し、映像が必要ない部分は文書形式のマニュアルとして作成する。

  • 品出ししているときに、お客様から問い合わせを受けた時の受付方法
  • 品出し中に商品場所を聞かれたときの商品棚のご案内方法
  • レジが忙しいときのヘルプの方法
  • 棚や床が汚れているときの対応方法

②動画教材や業務マニュアルなどの資料を共有化する情報共有システム【STeP】の導入・活用

情報共有システムの活用により、学習後のチェックや知識テストを実施し、フォローが必要な部分を把握。情報共有システムを活用し、webにて映像や学習教材をいつでも使えるようにし、CS行動基準の具体化したものを店舗での教育や自主学習用教材として活用する。
結果的に、店舗の教育担当者が【見せて教える学習ツール】として活用することができたため担当者の大きな負担軽減につながった。映像として見せられるため教える側、教わる側の安心感にもつながり、効率よく教えることができ教育担当者の時間的余裕につながった。教育担当者に時間的な余裕ができたため、余った時間で今までできていなかった実践後のフォローを行うことができるようになった。

③具体化したCS行動基準を【STeP】システムを活用して、既存社員、新規入店者の教育として展開し、従業員の行動を変えることを促進した。

同システムを活用し、好事例の全社的共有(取り組み動画、発表動画の共有)を行い、個別の店舗取り組んでいるCS活動を他店舗が確認し、実践することを促進した。

【STeP】システムについてstepforsm1

STePとは、マニュアルや映像コンテンツをクラウド上に保管し、学習コンテンツとして活用する仕組み。

≪利用するメリット≫

  • 人事・教育担当(管理者側)としては、対象者に合わせた学習コースの設計や受講者の学習進捗状況の把握ができる。
  • 受講者としては、パソコンや携帯端末など様々な端末からアクセスすることが可能。必要なタイミングで情報を確認することが可能となる。

≪主な機能≫

  • マニュアルや映像ツールなどの教育ツールを一元的に管理し、提供することが可能(映像教材、eラーニング、マニュアルなどを電子データで保存し管理することができる)
  • 自社の教育ニーズに合わせた学習コースの設計が可能(マニュアル、eラーニング、集合研修、テストを組み合わせて、独自の学習コースを作成することができる)
  • 受講履歴やテストを基に社員のスキルを把握することが可能。
  • 診断ツール(チェックリスト)や研修アンケートをwebサイトで入力させ、データを集めることができる。データはCSV形式でダウンロードすることが可能。
  • 研修時の課題をファイル形式や写真、動画形式で提出することが可能。現場での実践成果を写真などで確認し、共有することができる。

STePシステムを支える主な機能

 

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 今回の活用イメージ

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情報共有システム【STeP】をその他の領域に活用

店舗の学習ように導入した情報共有システム【STeP】を別な領域にも広げて活用することで、情報共有の効率化を高めることができた。
活用した領域は

  • 動画教材を活用した情報セキュリティ、人権などの全社的コンプライアンス教育
    先方内部で作ったコンテンツを載せて、情報共有をベースに活用した。
  • 本部が情報発信用のツールとしても活用
    本部からの通達や注意事項などを撮影したもの、文書として配信したり、発表会のシーンなどを共有したりした。

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研修後の状況

  • 既存社員の行動の変化が見られた。CS活動を現場でやる意識が高まりご意見の件数を減らすことにつながった。
  • 利用期間 2016年から継続的に利用中
    利用人数 20,000人

担当コンサルタント

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横田 恭一(よこた きょういち

コンサルティング部 経営コンサルタント

企画担当

メディアセンター ディレクター 細田 威行

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