2018年4月11日

なんでも相談【480号】

2018年4月11日

質問

地方建設会社の工事部門で現場代理人をしています。会社では中堅社員でもあり、新入社員の教育を任されることになりました。会社には5年以上新入社員がいなかったので、新入社員を教育した経験がありません。どのようなことから教えていけばよいのでしょうか。

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回答

現在、建設業界では新人採用で苦戦している会社が大多数です。その中で新人を獲得できたことは大変喜ばしいことです。せっかく採用できたのですから、うまく育て、定着することが会社や本人にとっても大切なことだと思います。

さて、これまでの人の育て方は「現場に配置すれば、時間が経つと、自然に一人前になってゆく」というのが当たり前でした。忙しい先輩の手伝いを通して、何となくこれが現場の仕事だと思い込ませてきました。

これから、新人の教育を担当するということですので、簡単ですがポイントをいくつかご紹介してみたいと思います。

まず、初期1ヶ月ほどは、会社での生活に慣れてもらう時期です。学生から社会人になり立ての頃は、先輩社員にとっては当たり前のことでもそれが出来ません。この時期に身につけさせることは、会社の決まりごと(やってはならないこと・やらなければならないこと)です。

次に、教える側と新人との間で目標をしっかり確認することです。2ヶ月くらい経つとそろそろ現場に連れて行く時期になります。ただ、現場に連れて行くだけでは、新人は何をしてよいか分からなくなります。そこで、今度の現場では何を学ぶのか、教える側からすれば何を教えるか。教える側と新人が共通の目標を先ず決めることが大切です。このように具体的にこの現場で学ぶこと、身に着けることを目標とすることで、自然とOJTのPDCAができる環境となります。

最後に、共通する指導ポイントです。現場を持ち、忙しい中での新人教育です。朝伝えた事柄などの出来を夕方には確認しようと思っても、忘れてしまうかもしれません。そこで大切なのが、「メモを取らせること」、「日報を書かせること」です。新人とのコミュニケーションは「ホウ・レン・ソウ」を継続して行うことです。

新人を一人きりにせず、初期は指導する側から、できるだけ具体的に指示(やって見せる等)をします。次にやらせてみて、その出来を確認し、出来ていれば褒めてあげますし、出来なければ、根気強く出来るまでやらせるようにしてください。

 

参考図書としては、「建設業の実践OJT読本」(日本コンサルタントグループ刊)がございます。

 

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