なんでも相談【472号】
2017年12月13日
質問
地場建設会社の総務部の課長をしています。この度、海外人材として外国人の大学生を採用することになりました。入社は来年なのでその間に社内の受け入れ態勢を整えておきたいと思っています。何かアドバイスがあれば教えて下さい。
回答
日本と外国の組織風土の違いからいくつかご紹介したいと思います。まず、日本の文化とその国の文化とは違うということを念頭に置くとよいでしょう。それを踏まえたうえで会社の中で基本となっているルールについて確認することです。
このルールというのは、就業規則以外の「気持ちよく働くためのルール」とお考え下さい。工事部門・営業部門・技術部門と部門によって違ってきますが、各部門で違った運用をしているケースもあり、そうなると配属先のルールの違いが外国人を悩ませることになります。ルールを文書化し、全社員に徹底することは、外国人だけではなく中途入社の社員、若手社員のためにも有効であり、ひいては会社全体をリフレッシュさせることができます。
入社当初は覚えることがたくさんあり、また日本語の理解力にも幅があるので口頭で伝えて、その場では「わかりました」といっても実際には理解されない場合もあります。また、社員1人1人が違うことを説明すると本人は混乱してしまいます。
守って欲しいルールを示されなければ、これまでの仕事のやり方や自国の文化を基準に行動するのは当たり前のことです。スタートの時点で溝を作らないためには、あらかじめ守るべきルールを文書化して明確にすること、それをお互いに確認し合うことがとても大切です。文書化といっても箇条書きのようなものでも構いません。
冒頭で、ルールというのは、「気持ちよく働くためのルール」と申し上げましたが、日本の組織では就業規則以外の職場で守るべきマナーはあまり文書化されていません。
例えば、就業開始時間に会社に到着するのではなく、遅くとも5分前には仕事のできる態勢を整えておくこと、遅刻しそうなときは事前に連絡を入れること、「報告・連絡・相談」を行うことなどを文書化しておくことは有効です。
また有休のとり方、残業の仕方については、業務に支障をきたさないこと、上司の許可を事前にもらうことなど理解してもらうために文書化しておいてもよいでしょう。
最後に、入社後1年程度は、会社はもちろん居住地域で慣れないことが予測されますので、同性の先輩社員に相談役をお願いしておくことも1つです。
簡単ではございますが、文化が違う外国人を組織にうまく溶け込ませるためのポイントとしていくつかご紹介させていただきました。
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