2017年5月31日

なんでも相談【460号】

2017年5月31日

質問

弊社は民間建築を中心に事業を行い、今のところ受注は順調ですが、将来的には潮目が来ると感じています。新たな顧客開拓を営業に指示したいと考えておりますが、アドバイスをお願い致します。

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回答

建設工事の受注は官にしろ、民にしろ、その時々の時代環境に影響を受けます。しかしながら、どのような時代においても請負業である以上、受注を枯らすことは会社の存続に関わります。

一般的に既存取引顧客は、毎年15%前後減少すると言われています。既存の工事を発注してくれる顧客の15%は、翌年には工事の発注が無くなることになります。つまりは、営業が新規開拓をしなければ、その後に顧客は完全に枯渇することになるわけです。

そのため、営業は毎年発注が切れる顧客と同数の新規顧客を獲得することが望ましい姿と言えます。

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上の図は、自社と顧客との関係を今後の工事発注可能性と顧客関係性の両面で表しています。この図のAの顧客は、顧客との関係性が高く、工事の発注可能性も高い、いわゆる大得意先です。営業活動において、このような顧客ばかりだと楽ではありますが、将来的にはA客だけで、会社の必要な受注を賄うのは困難と言えます。

そこで、次に狙うべき顧客は、BもしくはCとなります。Cは「会いやすい顧客」ではありますが、「大きな仕事を出してくれる顧客」ではありません。そのため、新規顧客のターゲットは、おのずとBの顧客を開拓することが定石となります。

ただし、新規顧客開拓に意を注ぐあまり、従来の既存顧客(A,B)の管理がルーズになってはいけません。人間が立つことができるのは、左右の足のバランスがとれているからであり、同様に安定受注が成り立つのも顧客の開拓・管理のバランスがとれて成り立ちます。営業は右足で新規開拓、左足で既存客管理の重要性があるわけです。

 

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