2017年1月11日

なんでも相談【451号】

2017年1月11日

質問

地元の内装屋です。施工管理者2名と近隣の職人7~8名で、年間1億円強を売上げています。数年前までは、「あと少しで2億円に届くから頑張ろう」という良い感じで来ていたのですが、ここ2~3年、急激に受注が落ち込んでしまいました。営業活動は、従来通りの地場ゼネコンの現場代理人へのアプローチが中心です。

「最近仕事が廻って来なくなったのですが、相見積とかでうちが選ばれなくなったのですか」と聞くと、「建築の仕事自体が相当落ち込んでいて、我々も困っている」との返事です。同業他社も暇そうですし、「うちだけではないんだ」と思いつつも、それでも会社を維持していかなければなりません。何か良い対策・事例がありましたら紹介してもらえないでしょうか。

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回答

事務所や店舗・工場を中心に施工していた、貴社の2倍程度の完工高を有する内装業の事例を紹介します。

受注見通しが悪くなってきた段階で、社長とベテラン施工管理者が集まって、導き出した一つの策として、「住宅をやってみよう」というのがあります。ターゲットは、ハウスメーカー(大手・中堅)、地元(在来)工務店、FC加入している地域工務店とし、社長が、自社を紹介がてら営業アプローチしました。その時に、下請条件等を確認し、一番気さくだった、最近伸びているFC加入企業の仕事を試し受注させてもらいました。

1件目、2件目はコスト・工期的に大変でしたが、3件目以降はFCの画一化仕様にも慣れてきて、効率の良い作業が出来るようになり、いまでは年間8~10棟をコンスタントにこなしています。まだ、事務所や店舗・工場の売上減少分のカバーは出来ていませんが、施工メンバーの非稼働は相当少なくなりました。

もう一つ、外郭団体とタイアップした販促事例を紹介します。

今春から始まった、地元商工会議所の地域活性化策とタイアップした事例です。商店会の店主や企業が、セミナー講師になって、(自社取扱商品を主にアピールするのではなく)「地域住民の生活を豊かにするために」をテーマに、店主・事業主の経験則でアドバイスし、その道具として自社で取扱っている商材を活用するというもので、そこに参加した企業があります。

セミナー経由での実績はまだ数件ですが、地域の一般客への認知度が格段に上がって、地域貢献している実感も出てきたとのことです。

両事例とも、発想は社員からのものです。地域を見渡してみると、建設業として関われる場面は、まだまだありそうです。貴社もベテランに限らず若手社員の豊かな発想を引きだしてみては如何でしょうか。

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