2016年6月8日

なんでも相談【439号】

 2016.6.8

質問

地方都市で、中小建設業で営業部門の担当役員をしています。弊社は、地元では社歴も長く従業員も70名います。しかし、3~5年後には公共工事の入手にも困難になるのではないかと心配です。数年前から社内で新分野の開拓分野を検討していますが、思うようにアイデアがまとまりません。どのようにすればよいか分かりませんので概略のところ教えてください。

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回答

第2次安倍政権発足から3年、3本の矢を柱としたアベノミクスの影響もあり平成26年度、平成27年度、建設企業の収益改善に向けた傾向が見られました。

しかし、平成28年度も後半に向かう中、多くの経営者が先行き5年後に不安を持つ傾向も出ていますので、ご質問の状況は多くの地方建設企業に共通しているものと思われます。

さて、本業の先行きが不透明なので新分野を検討するような状態でのご質問のようですが、新分野というと、多角化(新規事業など)の異業種への進出が取り上げられた時代が過去にありました。このことは評価が分かれるところですので、コメントは差し控えたいと思います。

基本的には、まず本業を見直すことだろうと思います。次に、新しいことをやれば失敗もつきものです。

「1%の閃きと99%の努力」とはエジソンの言葉として有名ですが、アイデアは1%の部分です。過去の経験や自らの知識が一度バラバラにされた中で、ある目標へ向かう気持ちがアイデアに結びつくように再度まとまるものとも言われます。

したがって、もともと経験や知識の無い異業種を考えるより、経験も知識もある本業から考えるほうがよいアイデアが生まれる可能性が高いということです。

成功(はたまた失敗するか)は99%の努力にかかってきます。失敗すると「やめた」又は失敗するから「やめておく」のが普通です。ところが成功した企業は大抵失敗の経験をしています。だけど「やめなかった」、ここが違いです。

実行するのは人間ですから、行動の根底に「夢」があるかないかが鍵となります。「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし、故に夢なき者に成功なし」と吉田松陰先生も言葉を残しているように人の行動を「・・・になるから、やめる」を「・・・のために、する」へ変える原動力は「夢」です。この夢が「企業理念」となるのです。企業の将来を切り拓くためには、社員が「企業理念」を共有することが必要です。

時代の趨勢とともに「企業理念」が変わることはありませんが、実現のための手段としては、時代や環境の要請に対応して現状を変えていくことになります。結果、事業を顧客市場別に分けてビジネスモデルを磨き成功した会社、自社の経験を新技術としてまとめて全国展開に成功した会社などが現れるのではないかと思います。

今年、弊社ではこれらの展開に成功した企業にお集まりいただきニッコン建設業フォーラム2016を開催いたしました。詳細は弊社ホームページをご参照ください。

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