なんでも相談 【527号】

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質問

弊社ではこれからキャリア採用を積極的に行っていきたいのですが、キャリア採用の場合の賃金の決め方について教えてください。どうしてもプロパー社員とのバランスが取れないのですがどうしたらいいでしょうか。

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回答

ご質問ありがとうございます。

例えば、キャリア採用されたい候補者の年齢が40代前半だったとして、自社の同年代のプロパー社員の平均給与よりも本人の前職の給与水準が割高な場合に自社の平均給与の提示では、本人の希望額とのギャップが埋められずに採用に至らないということになります。どうしても採用したい場合には本人の希望額で入社してもらうとしても、期待通りの実力で無かった場合には、その後に簡単に給与を下げる訳にもいきません(本人の実力は入社してからでないと大概わからないことの方が多いと思います)。

このような場合には自社の同年代もしくは同等の能力や経験を持っている階層の等級と基本給をベースとしてまず設定し、その金額では本人の希望額などの給与水準との差がある場合には、調整給によって穴埋めします。

調整給は暫定的な給与であるため、入社後の職務状況について適正に人事考課を実施し、その考課結果に応じて等級も含めた月額給与を改めて見直します。

入社前の期待にたがわない実力者であれば考課結果にもとづき昇給もあるかもしれませんし、逆に考課結果が低ければ調整給を減額したり0にしたりする場合もあります。

この場合、上記の給与変動の条件を労働条件通知書などの書面で示しておくことで、入社後のトラブルを避けるようにします。

このように人事考課制度でキャリア採用社員の能力を適正に評価し、その能力に応じた給与水準とすることで、プロパー社員とキャリア採用社員の給与水準のバランスを保ちます。

(回答者)
日本コンサルタントグループ 建設産業研究所 経営コンサルタント 酒井 誠一