なんでも相談 【508号】

なんでも相談 【508号】

質問

昨年より大卒の新入社員(文系)を営業職として採用しておりますが、本人が「顧客との商談が上手くできない。」とこぼすようになっています。経験が浅いので致し方無いとは思いますが、何か良い指導方法は無いでしょうか。

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回答

建設業は受注生産の形態であるため、営業は最初から形がある状態で売り込む仕事ではないだけに顧客である施主・発注者の要望を聞き取り、それを図面や見積金額提示により具体化していく能力が身に付くまでには、ある程度の経験も求められます。まずは次のようなところから進めてみましょう。

①建設業の営業として知識の供与

自社で施工している主だった工事の種類や概要、顧客と商談を行う際の確認事項など、技術的な面も含めて営業として押さえておくべき知識を教育します。

②訪問前準備

顧客訪問前に訪問の目的は何か、顧客面談の際に確認すべき事項は何か、事前に用意する資料などは何か等々の訪問前の準備を上司・先輩が部下・後輩社員と一緒に入念に指導していきます。

③同行営業

上司・先輩社員が同行する際は上司・先輩が顧客の前で主に話しをすると部下・後輩社員の商談力がいつまでたっても向上しません。上記②の準備を行った上で、なるべく部下・後輩社員が主に顧客と話しを行うように仕向けていきます。もちろん、部下・後輩が話しに行き詰った際はいつでも助け舟が入れられるように心得ておきます。

また、顧客先での商談が終わった後は間髪を入れずに上司・先輩の方から良かった点や改善すべき点をフィードバックすることで部下・後輩に気付きを与えます。

 

(回答者)日本コンサルタントグループ 建設産業研究所 経営コンサルタント 酒井 誠一