なんでも相談【471号】
2017年11月22日
質問
地元の中規模ゼネコンで工事部長をやっています。現場代理人が20名ほどいるのですが、施主から次のようなことをよく言われます。「施工はしっかりやってくれているのですが、こちらの要望をよく理解してくれないので、時々不安になることがあります。」これは、おそらく施主は現場代理人が積極的な対応をしないことに不満を持っているのだと思われます。 このような現場代理人をどのように変えていったらよいのかアドバイスください。
回答
これまで御社の現場代理人は会社の指示待ち傾向にあったと思います。地元の建設会社ではコツコツよい仕事をすることで顧客が喜んでくれると信じていたのでしょうが、今や現場条件や施主の要望が変化していく中で、相手の意図を先読みして提案していく能力が不可欠になってきました。この変化に気付かないで、黙々と仕事しているだけでは、顧客は物足らなさを感じて当然です。施工の専門性をわかりやすく伝え、施主のこだわりや迷っていることを察知して、提案していく対話力が現場の利益と信頼、さらには受注力に大きく影響するのです。この中でも”話す力”の磨き方、身に付け方をアドバイスしましょう。
① うまい質問を訓練する
質問する狙いは、確認したり、思惑を推理したり、能力知識を判断したり、人柄をチェックしたりなど次の展開を予測する大切な行動です。例えば、先日要望された工程短縮は○○部分を早く仕上げることではなかったでしょうか。そうなると、こちらの材料を早く注文しないと間に合いませんが、承認を急ぐ必要があります。如何いたしましょうか。このように相手の矛盾を質問によって気付かせ有利に持っていくのです。
② 説明の仕方を訓練する
言いたいことの要約をまず述べます。いわゆる新聞の見出しです。次に話したいポイントがあれば3つ以内で列挙します。次に言いたいことを一つずつ詳細に述べます。最後にもう一度強調したいことを繰り返して念を押すのです。この3ステップを打ち合わせや会議の発表のとき意識して活用すると説明する力が上がります。
③ 話すテクニックに関心をもつ
- 「~です」と柔らかく断言する。⇒「~と思います」では相手を引き付けられません。
- 短文にする。⇒だらだら話すのは理解されにくいです。
- 発音とメリハリをつける⇒ゆっくりと早くの緩急、高い声と低い声の高低、間をあけることについて関心を持つことが大切です。
これらは話し方の解説書にも述べられていますので研究してみて下さい。まずは、頭で考えるより何度も話す練習をして身につけていくことです。
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