2017年8月23日

なんでも相談【466号】

2017年8月23日

質問

地場で長年建設会社を経営しています。業歴も長く、地元では優良企業でもあると自負しています。しかし、建設工学系の人材採用では苦戦しており、このままだと5年後若手エンジニアの後継者がいなくなることを恐れています。精密機械製造業で、外国人の大学卒業者を採用している企業が地元でもあり、当社も東南アジアからの大学卒業者を採用しようかと検討中です。人事制度面では、どこから手をつけたらよいのかまったく分かりません。アドバイスをお願いします。

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回答

今、あらゆる産業で同じ問題を抱えております。とりわけ建設業界では深刻です。弊社でもアジア工学人材採用支援を行っており、地元の有力企業の経営者の方が、直接大学へ行き、面接をして採用に力を入れています。さて、人事面については幾つかポイントがありますが、基本的理念では日本人と同等であることを念頭においていただければ良いのです。

ご参考までに、厚生労働省の指針から処遇と人事管理を取り上げてみます。

まず、労働条件として押さえるのは、

  • 均等待遇
  • 労働条件の明示

が上げられます。他にもありますが、外国人であることを理由に賃金で差別しないこと、また、雇用契約をする前には労働条件を文書で説明することです。厚生労働省では、サンプル文例をHPに掲載していますのでご参考ください。

次に押さえておきたいのが、

  • 適切な人事管理

これにも幾つかありますが、重要なのは、求める社員の能力等を明示して、適切な評価を行い、処遇に反映させること。職場でのコミュニケーションの配慮など必要となります。そこで、「外国人労働者の雇用労務責任者」の選任など組織として、体制も検討していただくことが必要です。

このように幾つか必要なことをご紹介いたしましたが、日本人の人事管理や人材育成についても共通で必要なことも多く、外国人固有の配慮事項も押さえながら、現状の自社の人事や人材育成の仕組みを見直すのも良いと思います。なお、外国人の採用や制度づくりについては、都道府県労働局、又は、地元のハローワークが窓口として相談・対応していますので、情報収集を兼ねて一度足を運び、相談されることをお奨めいたします。

 

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