2017年4月26日

なんでも相談【458号】

2017年4月26日

質問

建設業に対して生産性を向上させることがいろいろと言われていますが、建築現場で施工管理を担当している立場として何をどうするという結論がなかなか見えません。建築現場で取り組むべきことのヒントがありましたら教えてください。

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回答

建設業界の就業者は減少傾向にあり、特に技能労働者は高齢化が進み歯止めが聞かない状況です。(下表は国土交通省資料より)

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このような環境にあって建設業自体の生産力低下が起きていることに対して、生産性が求められていることになります。10年後の技能労働者数の予測は、現在のGDP成長率の推移だとした場合47万人不足とされています。この不足する労働力を現在の生産性を1割改善することで補うことが出来ると考えられています。

土木事業ではICTの活用による省力化(生産性向上)が進められています。建設事業においては工業化による省力化は以前から活用され、在来工法での躯体工事に対しプレキャスト工法などは代表的なものであり、工場での部材安定生産から品質の面においても高い生産性であると言えます。

機械化・工業化による省力化生産性向上はコストが掛かりますので公共土木のように発注者からの取組指示、建築事業であれば規格可能や超高層ビルのような採用メリットがなければ難しいと思います。

建設の事業は単品生産ですから個別の生産活動が求められますので、ご質問のように「現場は何をやったらいいのか」のヒントとして以下のようなことを取組として考えてください。

せっかく受注した物件を手戻り・手直しなどのロス発生を如何に防止することに取組むことが出来るかになります。

工事現場の生産性に対する不具合といえば「工程が遅れる」「品質に問題が発生する」「事故が発生する」そして、これらを原因として「利益が作れない」になります。

建設業は元請が先頭に立って現場を運営します。これらの不具合を防止するためには、元請の現場担当者の施工方針・計画、施工指示、状況確認、改善検討といった施工自体への主体性が発揮されなければなりません。

まさに現場マネジメント手法(PDCA)の徹底実践になると考えてください。皆さんの責任業務の生産性を上げること(やりきること)が工事の生産性を上げることになるはずです

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