2017年4月12日

なんでも相談【457号】

2017年4月12日

質問

このたび現場代理人として現場を任されることになりました。厳しい工期なのですぐに着工するように指示をされています。実行予算書は部門で作ってもらったものを渡され、すでに早い乗り込みの業者への発注も部門でやってくれています。とりあえず施工図を描かなければと思っていますが、現場代理人としての予算管理が出来ているのかと疑問に思っています。(前の現場も同じでした)予算管理を身に着けたいのですがどうしたらよいでしょうか?

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回答

現場運営の目的は「完成させること」だけではありません。「利益を稼ぐこと」が最も大きな枠割りになります。つまり、現場代理人の重要な役割は予算管理であるといえます。

現場で行われる仕事はすべて「原価」になります。掛かるものは掛かる、如何に工夫することで掛けないで済むか、といったことを現場運営する人自身が考えて協力業者と取り組んでいかなければなりません。

実行予算書とはその工事の利益を作るための計画書です。最近は部門などに予算と購買を任せて工事管理だけというシステムをとっているケースもあると思いますが、現場代理人が実行予算書を道具として如何に利益を作るかの主役にならなければ難しいと思います。

ご質問の予算管理を身につけたいのなら、まずは自身の予算を計画する・考えるという時間をとらなければなりません。渡された見積書のような予算書から専門工事業者に下請負で任せているだけでは、予算管理をしていることにならないことに気づいていると思います。

予算管理の手法についてはここでは触れませんが、任命され引継ぎを受けたら予算を計画するために、2週間は予算作成の期間として自分自身で工程を組んでください。

「言われたからすぐに業者を乗り込ませて着工した」というのは自分の原価の検証が出来ていない・解らないながらの工事運営になります。業者任せといってよいでしょう。必ず原価に対する壁にぶつかり、あわてて着工したため猶予などなくしてしまい、問題解決に費用と期間を掛けることになります。

誰に言われたからではなく、自分の現場である限りは自分の予算計画を検討する時間をしっかりとって、納得して現場を運営することがポイントです。どんなに予算管理を勉強しても、実践できなければ意味を持ちません。着工の準備期間がなかったではなく、準備期間とは自身の工程計画の中で作るものだという発想で予算管理を身につけてください。

 

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