なんでも相談【448号】
2016年11月9日配信
質問
現場所長として現場を任され5年が経ち、最近、部下の使い方に悩んでいます。昨年までは小規模の現場のみを担当しており、直属の部下を持った経験はまだありません。しかし、今年から任される現場の規模が大きくなり、現在部下は2人います。私が部下の特性と現場の状況をみて臨機応変に業務を分担し、効率的に現場を運営しているつもりです。しかし大小様々な作業の漏れが頻繁に起こり、それを補うための残業が続き、部下も多くの不満を持っているようです。皆さんはどのように部下をまとめているのでしょうか?
回答
チームマネジメントに関する悩みとお見受けします。チームマネジメントといっても範囲が広いのですが、質問を見る限りでは、チームマネジメントの中の職務分担が適切でないと考えられます。
部下にそれぞれの得意分野のみを任せていないでしょうか?効率的に工事を進行させることを考えた時、得意な業務を得意な人に任せることが最も良い方法だと思われがちです。しかし、これでは所々に作業の漏れが起こるのも当然といえます。
職務分担の手順として最初にすべきことは、関係職務の全てを漏れなく部下に振り分けることです。そのため、全員に得意分野のみを担当させるわけにはいきません。未経験なこと、不得意なことを任せることを前提とし、それをチームで補完し合うことも含めて、現場所長は職務を適切に分担しなければなりません。
また、予め漏れなく計画的に職務分担するのと、現場で漏れが発見される度に場当たり的に対応するのとでは大きく違います。例えば、始めから全員がAさんが未経験の職務を担当することをわかっていれば、自然とAさんをフォローする意識や行動が生まれチームワークは高まります。所長が重点的にAさんを支援するので所長の全体管理業務の一部をBさんへ委譲する。未だ手伝い程度の作業しかできないCさんも、ただAさんの指示を待つだけでなく自身も考え提案しながら取り組ませる。
このように、一人一人に役割を理解させた上で担当させれば、高い意欲で新たな職務に向かうよう促すこともできます。対して、場当たり的な対応では、自分の業務でも精一杯なのに、さらに追加的に担当外の作業を強いられると感じさせるため、部下は疲弊し、不満が生まれます。
理想的ではないとはいえ、現在現場所長としてチームを率い、なんとか現場を運営できていると推測します。そのため、一度職務割当を含むチームマネジメントについて体系的に学んでみてはいかがでしょうか?今までの経験を確かな理論に照らし合わせて見直すと、今まで一人で悩んでいた事が多く解消され、格段にチームマネジメントスキルが向上することが期待できます。
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